「きゃあぁぁ!?」
勢いにあおられて、あたしは正座したまま後ろに引っくり返りそうになった。
巨大な物体が畳の上をザザァッと滑って、ビタッと停止する。
なになになに―――!?
いったい何が起こっ・・・!?
あ・・・・・・。
あたしはその物体の正体を指差しながら、大声で叫ぶ。
「こら伝書亀! いい加減にしなさい!」
門川で書簡を運ぶ役割を担う、全長2メートルにもなる巨大亀がいた。
ウサギよりも早く飛行し、鳥よりも高い攻撃力で大切な書簡を守る。らしい。
・・・そもそも、ウサギよりも速く飛行ってとこからして意味が良く分からない。
亀もウサギもまずは飛ぶこと前提ってのが理解不能。
高い攻撃力って、なによそれ。
亀が何をどーやって、どれを攻撃すんのよ?
そんなことより毎回毎回、猛スピードで部屋の中に突っ込んできて!
手紙が届くたびに寿命が縮むんですけど!
おまけに畳は傷むし、もっと静かに入って来いって何度も言ってるでしょ!?
伝書亀は、一転して緩慢な動作になった。
のーっさりもーったり、口に咥えた手紙を門川君に渡すために畳を移動する。
ああぁぁ~、イライラするうぅぅ。
そこでこそ、お前の自慢のスピードを発揮する時だろうがっ。
門川君は平静な表情で亀の移動を見守っている。
そして、やっとの事で手紙を受け取り、亀に労いの言葉をかけた。
「ご苦労だった」
その途端・・・
― ズバアァァァ―――ッ!! ―
亀は目にも止まらぬスピードで部屋を飛び出し、飛び去っていく。
空の彼方に、キラン、と亀は星になった・・・。
勢いにあおられて、あたしは正座したまま後ろに引っくり返りそうになった。
巨大な物体が畳の上をザザァッと滑って、ビタッと停止する。
なになになに―――!?
いったい何が起こっ・・・!?
あ・・・・・・。
あたしはその物体の正体を指差しながら、大声で叫ぶ。
「こら伝書亀! いい加減にしなさい!」
門川で書簡を運ぶ役割を担う、全長2メートルにもなる巨大亀がいた。
ウサギよりも早く飛行し、鳥よりも高い攻撃力で大切な書簡を守る。らしい。
・・・そもそも、ウサギよりも速く飛行ってとこからして意味が良く分からない。
亀もウサギもまずは飛ぶこと前提ってのが理解不能。
高い攻撃力って、なによそれ。
亀が何をどーやって、どれを攻撃すんのよ?
そんなことより毎回毎回、猛スピードで部屋の中に突っ込んできて!
手紙が届くたびに寿命が縮むんですけど!
おまけに畳は傷むし、もっと静かに入って来いって何度も言ってるでしょ!?
伝書亀は、一転して緩慢な動作になった。
のーっさりもーったり、口に咥えた手紙を門川君に渡すために畳を移動する。
ああぁぁ~、イライラするうぅぅ。
そこでこそ、お前の自慢のスピードを発揮する時だろうがっ。
門川君は平静な表情で亀の移動を見守っている。
そして、やっとの事で手紙を受け取り、亀に労いの言葉をかけた。
「ご苦労だった」
その途端・・・
― ズバアァァァ―――ッ!! ―
亀は目にも止まらぬスピードで部屋を飛び出し、飛び去っていく。
空の彼方に、キラン、と亀は星になった・・・。


