門川君の私室は、歴代当主の由緒ある個室へ移った。
由緒はあるけど、あたしのじー様が昔、半壊させちゃった例の部屋。
だいぶ引っ込んだ場所にあって、訪ねるのが面倒になったけど仕方ない。
なんたって当主様だもん。それ相応の待遇ってやつだよね。
到着した私室の前に皆で並んだ。
「永久よ、入るぞ」
「あぁ、どうぞ」
彼の声が聞こえて、あたしの胸が軽く躍った。
セバスチャンさんが襖を開けてくれた。
まだ黄色くなっていない、新鮮な薄緑色の畳の色が目に飛び込む。
独特な香りが漂った。
そして・・・
「やあ、おそろいだな」
背筋の伸びた綺麗な姿勢で正座をしている部屋の主が、こちらを見た。
綺麗に彫り込まれた、切れ長の涼しげな二重。
優美なラインを描く眉。
引き締まった形の良い唇。
すっと流れるような鼻梁。
ああ・・・相変わらずの美貌!
あたしの胸はギュウッと締め付けられ、同時に華やぐ。
門川君・・・!!
「永久様! お久しぶりですわ!」
「当主様、ご無沙汰をいたしております」
「岩さん、久しぶりだね。セバスチャン、その当主様、というのはやめてくれ」
深く頭を下げるセバスチャンさんに対して、門川君は軽く笑った。
そしてそのままあたしに視線を移して・・・
「天内君、おかえり」
そう言ってくれた。
由緒はあるけど、あたしのじー様が昔、半壊させちゃった例の部屋。
だいぶ引っ込んだ場所にあって、訪ねるのが面倒になったけど仕方ない。
なんたって当主様だもん。それ相応の待遇ってやつだよね。
到着した私室の前に皆で並んだ。
「永久よ、入るぞ」
「あぁ、どうぞ」
彼の声が聞こえて、あたしの胸が軽く躍った。
セバスチャンさんが襖を開けてくれた。
まだ黄色くなっていない、新鮮な薄緑色の畳の色が目に飛び込む。
独特な香りが漂った。
そして・・・
「やあ、おそろいだな」
背筋の伸びた綺麗な姿勢で正座をしている部屋の主が、こちらを見た。
綺麗に彫り込まれた、切れ長の涼しげな二重。
優美なラインを描く眉。
引き締まった形の良い唇。
すっと流れるような鼻梁。
ああ・・・相変わらずの美貌!
あたしの胸はギュウッと締め付けられ、同時に華やぐ。
門川君・・・!!
「永久様! お久しぶりですわ!」
「当主様、ご無沙汰をいたしております」
「岩さん、久しぶりだね。セバスチャン、その当主様、というのはやめてくれ」
深く頭を下げるセバスチャンさんに対して、門川君は軽く笑った。
そしてそのままあたしに視線を移して・・・
「天内君、おかえり」
そう言ってくれた。


