神様修行はじめます! 其の三

「このペンギン達は、セバスチャンが面倒を見ていますのよ」


「え? セバスチャンさんがペンギン担当なの?」


「はい。さようでございます」


あぁ・・・。あたしは妙に納得した。


なるほど、ブチ切れた時のセバスチャンさんと通じるものがあるわ。この任侠集団。


ペットは飼い主に似るって本当なのかもね。


ペンギン達は、セバスチャンさんに向かって畏敬を込めて目礼した。

・・・ように見えた。


「それじゃアンソニーちゃん達、今後も護衛をよろしくお願いしますわね」


『へい! 姐さん!』

って空気を漂わせたペンギンの集団が、一斉に雪の中に潜り込んでいく。


だから! なんでペンギンが雪の中に潜伏すんの!?


呼吸はどーなってんのよ、呼吸は!?


常識じゃ考えられないでしょ!


・・・・・あぁ、そうか。


常識に囚われた者に理解するのは不可能なんだったっけ。


理屈で考えちゃダメなんだったわ。こっちって。


頭を軽く左右に振って、あたしは姿勢を正しす。


さ・・・さてと!

ペンギンの任侠集団なんて珍しいモノ見て景気もついた事だし。


「行きましょうか! 門川君の所へ!」


「そうですわね! 行きましょう!」


「当主様は自室にお戻りになられたようでございます」


そっか、自室の方に居るんだね?


あたし達は揃って渡り廊下を進み、目的の場所へ移動した。