神様修行はじめます! 其の三

「あんた、アンソニー?」

くぃっ。

だから、なに?


としか形容できないような表情で、あたしを斜め目線で見上げる。


「この子が群れのリーダーですの。とっても賢いんですのよ!」


はあ、そーですか。

あたしは小柄なリーダーのアンソニー君と目を合わせる。


アンソニー君は、赤いビー玉のような目で見返してきた。


確かに可愛い生き物だけど・・・。


なんかコイツ、目付き悪くない?


メンチ切られてケンカ売られてるよーな気がするのは、あたしの気のせいだろうか?


「イワトビペンギンは、けっこう攻撃的な性質ですの。だから護衛役にもピッタリですのよ」


くぃっ! くぃっ! くぃっ!

次々とペンギン達が首を傾げて、あたしに視線を投げてくる。


その首の傾げ具合が、もう、完全にヤクザのメンチ。

集団メンチ。


あぁ~~ん? ワレ、見かけんツラじゃのう?


どこのシマのモンやぁ?


さっきから、なにコッチ見てけつかるねん。しばくどゴラァッ!


・・・って空気が、庭中に充満してる・・・。


「ね!? とっても可愛いでしょう!?」


「・・・ごめん、お岩さん。あたし相容れないかも・・・」


お岩さんのストライクゾーンって、広すぎ。


理解できない。なんか敗北感・・・・・。


あたしはこっちを睨みつけるペンギンの群れを前にして、ガックリと肩を落とした・・・。