神様修行はじめます! 其の三

慌てて口を押さえるあたしに、お岩さんが嬉しそうに宣言する。


「アマンダにも紹介しますわ。わたくしの可愛い・・・」


「いい! いらない!」


「遠慮なさらないで!」

「遠慮じゃないの! 純粋に怖いだけ!」


奈良の大仏クラスの巨大なゴマフアザラシなんかが飛び出してきたら、トラウマになりそう!


一生、水族館に足を運べなくなる!


「大丈夫ですわ。静かで可愛いんですから」


静かで可愛い・・・?


冬眠中のカエルとか? 大仏クラスの?


・・・・・・・・・・・・。


「やっぱり、いい!」

「アンソニーちゃぁぁ―――ん!!」

「いいって―――――!!」


半泣き声で拒否するあたしを無視して、お岩さんが庭に向かって叫ぶ。


すると広大な庭一面に積もった雪が、モコモコっと蠢き出した。


うわ――! 来た――!!

なんか知らないけど、来ちゃった――!!


――ボコボコボコッ!!


庭全域の一面の雪の中から、何か黒い物体が大量に勢い良く飛び出してきた。


次から次へと、まだ飛び出してくる。


うわぁ!? なにこれ! この黒いの!


その数30? 40? ・・・50!? もっと!?


ウヨウヨと現れた大量のこれは、この生物は・・・!


・・・・・・


・・・・・・ペンギン?