神様修行はじめます! 其の三

あたしは、庭先の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

辺りに漂う風はまだこんなに冷たいけれど、凍雨君の胸の中には、確かに春が訪れている。

春は・・・未来は、来る。


あたしは門川君を見上げた。

門川君も笑顔を返してくれる。

あたしの、この溢れる思いは彼に伝わっているんだ。


これからもあたし達は茨の道を行く。

痛みを堪え、道に迷い、血を流す。


彼を巻き添えにしちゃう時もあるかもしれないけど、でもあたし達は誓った。


二度と離れないと。


だから、共に血を流すことも恐れない。


罪を犯すことも、決して恐れはしない。


だってその先に、信じた未来が在るから。


進むんだ。


大丈夫、怖くは無い。


癒しも、救いも、希望もある。



「門川君」

「天内君。僕の大切な君」

「あたし達、大丈夫だね」

「あぁ、大丈夫だ。僕達は・・・」


門川君があたしの手を握った。


「そばにいれば、無敵だ」


・・・・・


うん!!




信じるに足る世界を、信じるあなたと共に。


罪人は今日も歩いてゆく。


明日という名の、未来へと・・・・・・。




       (完)