「永久様ー! 天内さーん!」
「は、はあぁぁーーいぃ!!」
―― ぐきっ。
反射的に、門川君の顔を捻ってしまった。
彼の首が、ちょっと変な方向に曲がる。
あああぁぁ!
ま、また、せっかくのチャンスが!
神様! これって罪を犯した者への罰ですか!?
「な、なにかなぁ凍雨君? 帰ったんじゃなかったのぉ?」
ヒクヒク頬を引き攣らせるあたしに、凍雨君は喜色満面で駆け寄ってきた。
「見てくださいこれ!」
差し出された、彼の手の平には・・・
「・・・あぁ、これ、ふきのとうだね」
春の訪れを告げる小さな蕾。
薄い緑の葉と、白い花がとても可憐な、ふきのとうが乗っていた。
門川くんも鼻血を拭きながら覗き込んで、微笑む。
「本当にもう、春がそこまで来ているんだな」
凍雨君はもう大はしゃぎ。
文字通り飛び上がって喜んでいる。
「ぼく、初めて見ました! ふきのとう!」
その素直な喜びように、こっちの顔もほころんだ。
そっか。そうだろうね。
氷血の一族は、ずっと氷の世界に閉じ込められていたから、こんな植物には縁が無かったんだろう。
彼らには、春を告げる花なんて目にする事はできなかった。
「まさか、この目で見られる日が来るなんて!」
ふきのとうを大切に手の中に包み込む彼は、満面の笑顔だった。
「夢にも・・・夢にも思わなかった!」
春を告げる花。
長い長い雪と、氷の時代の終わりを告げる花。
待ち焦がれた・・・花。
「は、はあぁぁーーいぃ!!」
―― ぐきっ。
反射的に、門川君の顔を捻ってしまった。
彼の首が、ちょっと変な方向に曲がる。
あああぁぁ!
ま、また、せっかくのチャンスが!
神様! これって罪を犯した者への罰ですか!?
「な、なにかなぁ凍雨君? 帰ったんじゃなかったのぉ?」
ヒクヒク頬を引き攣らせるあたしに、凍雨君は喜色満面で駆け寄ってきた。
「見てくださいこれ!」
差し出された、彼の手の平には・・・
「・・・あぁ、これ、ふきのとうだね」
春の訪れを告げる小さな蕾。
薄い緑の葉と、白い花がとても可憐な、ふきのとうが乗っていた。
門川くんも鼻血を拭きながら覗き込んで、微笑む。
「本当にもう、春がそこまで来ているんだな」
凍雨君はもう大はしゃぎ。
文字通り飛び上がって喜んでいる。
「ぼく、初めて見ました! ふきのとう!」
その素直な喜びように、こっちの顔もほころんだ。
そっか。そうだろうね。
氷血の一族は、ずっと氷の世界に閉じ込められていたから、こんな植物には縁が無かったんだろう。
彼らには、春を告げる花なんて目にする事はできなかった。
「まさか、この目で見られる日が来るなんて!」
ふきのとうを大切に手の中に包み込む彼は、満面の笑顔だった。
「夢にも・・・夢にも思わなかった!」
春を告げる花。
長い長い雪と、氷の時代の終わりを告げる花。
待ち焦がれた・・・花。


