むくり。と、あたしに押さえ付けられていた彼の頭が起き上がった。
ビクッとあたしは硬直する。
ど、どうしよう。
彼と顔を合わせたくない。
彼の目が見られない。
・・・も一回、縁側に押し付けちゃおうか?
鼻を覆う彼の指の合間から、赤い液体が覗いている。
あ、また鼻血が流れてる。
今回、良く鼻血出るなぁ門川君。
「あ、あの、門川君、大丈夫・・・?」
「どうやら不発に終わったようだ」
「・・・はい?」
「いや、こういった不発のケースは、間々ある事だとセバスチャンから聞いていた」
・・・・・
いや、ここまでひどいケースは、あんまり無いと思う。
自分で言うのもなんですが。
「タイミングと、キレが重要なのだそうだ。技術を要する作法だとセバスチャンから聞いた」
「はあ、そーゆーもんなんですか」
「初心者だから仕方ないが、僕はまだ未熟者だということだな」
「はあ」
「精進して、これから技を磨かねばならない」
「・・・・・・」
「腕前が上達するまで、天内君との本番は無しだ」
「ちょっとなにそれどーゆーことよ!!」
あたしとの本番までに技を磨くって・・・
いったい誰と磨くつもりなのよ!
てか、そもそもこれがキスだって認識もしてなかっただろ、あんた!
冗談じゃないわ!
「一回ミスしたくらいで諦めるつもりなの!? 根性なし!」
「しかし技術が・・・」
「んなもん、ノリと勢いでカバーすりゃいいでしょ!?」
あたしは彼の頬を両手でガッチリ挟みこんだ。
引いてダメなら押しまくる!
今は千載一遇のチャンスなんだ!
ここでみすみす、引きさがるわけには・・・!
ビクッとあたしは硬直する。
ど、どうしよう。
彼と顔を合わせたくない。
彼の目が見られない。
・・・も一回、縁側に押し付けちゃおうか?
鼻を覆う彼の指の合間から、赤い液体が覗いている。
あ、また鼻血が流れてる。
今回、良く鼻血出るなぁ門川君。
「あ、あの、門川君、大丈夫・・・?」
「どうやら不発に終わったようだ」
「・・・はい?」
「いや、こういった不発のケースは、間々ある事だとセバスチャンから聞いていた」
・・・・・
いや、ここまでひどいケースは、あんまり無いと思う。
自分で言うのもなんですが。
「タイミングと、キレが重要なのだそうだ。技術を要する作法だとセバスチャンから聞いた」
「はあ、そーゆーもんなんですか」
「初心者だから仕方ないが、僕はまだ未熟者だということだな」
「はあ」
「精進して、これから技を磨かねばならない」
「・・・・・・」
「腕前が上達するまで、天内君との本番は無しだ」
「ちょっとなにそれどーゆーことよ!!」
あたしとの本番までに技を磨くって・・・
いったい誰と磨くつもりなのよ!
てか、そもそもこれがキスだって認識もしてなかっただろ、あんた!
冗談じゃないわ!
「一回ミスしたくらいで諦めるつもりなの!? 根性なし!」
「しかし技術が・・・」
「んなもん、ノリと勢いでカバーすりゃいいでしょ!?」
あたしは彼の頬を両手でガッチリ挟みこんだ。
引いてダメなら押しまくる!
今は千載一遇のチャンスなんだ!
ここでみすみす、引きさがるわけには・・・!


