―― ゴ―――――ンッ!!
・・・・・・。
あれ?
なに?
あたし今、なにして・・・?
・・・・・・!!
「か、門川君ー!?」
気がつくとあたしは、
無意識に体を後ろに逸らし、
彼の後頭部を片手で引っ掴んで、
彼の顔面を、思いっきり、縁側に叩き付けていたのだった・・・。
・・・ぎゃ―――! どうしよう―――!
今回、まったく出番の無かった護身術が、今になって表舞台に躍り出てきたー!
あまりの事態に意識が遠のく。
薄れる感覚の中、彼の後頭部の感触だけは、手の平にしっかり。
あぁ・・・。
いっそこのまま、マリワナ海溝最深部の、チャレンジャー海溝まで沈んでしまいたい・・・。
そこで世捨て人になってしまいたい・・・。
神様、お救いください。
たった今、あたしは罪を犯しました・・・。


