・・・・・・。
いや、あたしだって最初にこの話を聞いた時は、本気で驚いたさ。
『無理無理! 絶対むり! うまくいきっこないって!』
って、思わず全否定しちゃったよ。失礼ながら。
なんでも、マロの方が塔子さんに一目惚れしたらしく。
あれ以来、実に勇猛果敢にアタックしたらしい。
塔子さんは、最初のうちは鼻も引っ掛けなかったらしいんだけどね。
雪の日も、吹雪の日も、猛吹雪の日も。
マロは健気に連日連夜、怒涛の一族の屋敷に通い詰めて、門の前でひたすら懇願してたらしい。
『塔子殿を、ぜひとも我が妻にぃぃ!』って。
あっちの世界だったら、完全にストーカー行為で書類送検されそうな反則技スレスレ。
でもこの反則技が功を奏した。
塔子さんのお父さんが、
『あの男には根性がある。気に入った!』
って言い出して、あれよという間に結婚話がまとまっちゃった。
努力とか根性とかの言葉、大好きそうだもんなぁ。塔子さんのパパ。
とにかくそういう事で、いま塔子さんは結婚準備に大忙しなんだ。
あ、このイモようかんは、結婚式の引き出物に使うんだって。
「まあねぇ、端境一族は今後も大変だし。ここはひとつ世界のためにあたしが犠牲になって、橋渡しにならなきゃね」
なーんて神妙そうなこと言ってるけど。
塔子さん、顔がニヤけてるよ顔が。
なんだかんだいって、彼女も結構幸せそうなんだこれが。意外にも。
「塔子殿。こちらにおじゃったか」
「あら典雅、来てたの?」
あ、新郎の登場。
庭先から、いそいそとマロが姿を現した。
丁寧な物腰で門川君やあたし達に挨拶してくれるその顔は、信じられないほどデレ~っと締りが無い。
いや、あたしだって最初にこの話を聞いた時は、本気で驚いたさ。
『無理無理! 絶対むり! うまくいきっこないって!』
って、思わず全否定しちゃったよ。失礼ながら。
なんでも、マロの方が塔子さんに一目惚れしたらしく。
あれ以来、実に勇猛果敢にアタックしたらしい。
塔子さんは、最初のうちは鼻も引っ掛けなかったらしいんだけどね。
雪の日も、吹雪の日も、猛吹雪の日も。
マロは健気に連日連夜、怒涛の一族の屋敷に通い詰めて、門の前でひたすら懇願してたらしい。
『塔子殿を、ぜひとも我が妻にぃぃ!』って。
あっちの世界だったら、完全にストーカー行為で書類送検されそうな反則技スレスレ。
でもこの反則技が功を奏した。
塔子さんのお父さんが、
『あの男には根性がある。気に入った!』
って言い出して、あれよという間に結婚話がまとまっちゃった。
努力とか根性とかの言葉、大好きそうだもんなぁ。塔子さんのパパ。
とにかくそういう事で、いま塔子さんは結婚準備に大忙しなんだ。
あ、このイモようかんは、結婚式の引き出物に使うんだって。
「まあねぇ、端境一族は今後も大変だし。ここはひとつ世界のためにあたしが犠牲になって、橋渡しにならなきゃね」
なーんて神妙そうなこと言ってるけど。
塔子さん、顔がニヤけてるよ顔が。
なんだかんだいって、彼女も結構幸せそうなんだこれが。意外にも。
「塔子殿。こちらにおじゃったか」
「あら典雅、来てたの?」
あ、新郎の登場。
庭先から、いそいそとマロが姿を現した。
丁寧な物腰で門川君やあたし達に挨拶してくれるその顔は、信じられないほどデレ~っと締りが無い。


