「僕は門川当主だ。だが微力な僕が、あなたにしてあげられる事は少ない」
門川君は、涙を拭きながら言葉を続ける。
「それでも、今あなたが一番欲しい言葉を捧げようと思う」
雛型は門川君を見つめ、門川君も雛型を見つめ、二人の間に、ほんのわずかな沈黙の時が流れた。
「雛型。君の罪は、許された」
「・・・・・・!!」
雛型の両目が大きく見開かれた。
薄っすらと唇が開き、言葉にならない声が漏れる。
白く細い指が顔を覆い、感極まった彼女は、何度も呻き声を上げた。
「お、お・・・おぉぉ・・・・・」
雛型の中の全てが、今、大きく変わっていく。
門川君は優しく微笑み、その姿を見つめている。
『罪は許された』
それは・・・
その言葉は本来、門川君が雛型に対して言える言葉では無い。
彼にも、この世の誰にも言う権利は無い。
なのにそれを言い切ってしまう事は、逆に罪であるのかもしれない。
それでも、彼は言った。
ただの言葉の形だけなのだとしても、たとえそれが罪でも、承知のうえで雛型に許しを与えた。
雛型にとって、それがわずかでも救いになるように。
彼は彼女を救うために、罪を引き受けたんだ。
「うん。雛型、あなたは許されたよ」
あたしも雛型に微笑み、許しの言葉をはっきりと捧げる。
門川君、その罪を、あたしも一緒に引き受けるよ。
それが雛型の癒しに、救いになるのなら。
雛型は両手で顔を覆い、突っ伏して泣いた。
おぉ、おおぉと嗚咽している。
喜びも悲しみも全てが混然とした、言葉にできない感情全てが、溢れる声だった。
門川君は、涙を拭きながら言葉を続ける。
「それでも、今あなたが一番欲しい言葉を捧げようと思う」
雛型は門川君を見つめ、門川君も雛型を見つめ、二人の間に、ほんのわずかな沈黙の時が流れた。
「雛型。君の罪は、許された」
「・・・・・・!!」
雛型の両目が大きく見開かれた。
薄っすらと唇が開き、言葉にならない声が漏れる。
白く細い指が顔を覆い、感極まった彼女は、何度も呻き声を上げた。
「お、お・・・おぉぉ・・・・・」
雛型の中の全てが、今、大きく変わっていく。
門川君は優しく微笑み、その姿を見つめている。
『罪は許された』
それは・・・
その言葉は本来、門川君が雛型に対して言える言葉では無い。
彼にも、この世の誰にも言う権利は無い。
なのにそれを言い切ってしまう事は、逆に罪であるのかもしれない。
それでも、彼は言った。
ただの言葉の形だけなのだとしても、たとえそれが罪でも、承知のうえで雛型に許しを与えた。
雛型にとって、それがわずかでも救いになるように。
彼は彼女を救うために、罪を引き受けたんだ。
「うん。雛型、あなたは許されたよ」
あたしも雛型に微笑み、許しの言葉をはっきりと捧げる。
門川君、その罪を、あたしも一緒に引き受けるよ。
それが雛型の癒しに、救いになるのなら。
雛型は両手で顔を覆い、突っ伏して泣いた。
おぉ、おおぉと嗚咽している。
喜びも悲しみも全てが混然とした、言葉にできない感情全てが、溢れる声だった。


