目の前の夫を見殺しにできなかった。
それが、大罪だった。
世界中から憎まれ、責められ、罵られた。
罪を償えと命令され、従い、人をやめて道具と化した。
いつかは許され元通りになると諭され、信じた。
でもそれは・・・偽りだった。
騙され、全てを失い、筆舌に尽くしがたい辛酸をなめた家族は全員、のたれ死んだ。
お腹の中の子どもまで、罪の償いとして利用されて。
あまりの悲しみに我を失った夫は、殺された。
そして千年過ぎて・・・
忘れ去られた。
もう、誰もいない。誰もいないんだ。
それを受け入れろと言われ。
他に道など無いと言われ。
『とても受け入れ切れぬ』と泣く事も・・・
それも罪なのだろうか?
それすらも許されないのだろうか?
・・・・・・。
そう。
それすらも・・・許されないんだ。
雛型は、受け入れなければならない。
それが現実である以上、受け入れる以外に道は無い。
それでも・・・
「もう、誰も責めないから」
あたしは自分の涙を手で拭いて、その手を雛型に伸ばす。
雛型の頬に指先が触れて、ふたりの涙が混じり合う。
千年の刻を越え、あたし達は今、ここに触れ合えた。
「あなたを責められる人は、もうこの世にいない」
それがあなたにとって、救いや癒しになるのかどうか、分からないけれど。
でも、これだけは確かなこと。
あなたにとっては目覚める前の瞬間のことであっても、全ては千年前のできごとなんだ。
それが、大罪だった。
世界中から憎まれ、責められ、罵られた。
罪を償えと命令され、従い、人をやめて道具と化した。
いつかは許され元通りになると諭され、信じた。
でもそれは・・・偽りだった。
騙され、全てを失い、筆舌に尽くしがたい辛酸をなめた家族は全員、のたれ死んだ。
お腹の中の子どもまで、罪の償いとして利用されて。
あまりの悲しみに我を失った夫は、殺された。
そして千年過ぎて・・・
忘れ去られた。
もう、誰もいない。誰もいないんだ。
それを受け入れろと言われ。
他に道など無いと言われ。
『とても受け入れ切れぬ』と泣く事も・・・
それも罪なのだろうか?
それすらも許されないのだろうか?
・・・・・・。
そう。
それすらも・・・許されないんだ。
雛型は、受け入れなければならない。
それが現実である以上、受け入れる以外に道は無い。
それでも・・・
「もう、誰も責めないから」
あたしは自分の涙を手で拭いて、その手を雛型に伸ばす。
雛型の頬に指先が触れて、ふたりの涙が混じり合う。
千年の刻を越え、あたし達は今、ここに触れ合えた。
「あなたを責められる人は、もうこの世にいない」
それがあなたにとって、救いや癒しになるのかどうか、分からないけれど。
でも、これだけは確かなこと。
あなたにとっては目覚める前の瞬間のことであっても、全ては千年前のできごとなんだ。


