神様修行はじめます! 其の三

「道など、どこにも無かった。なのに・・・」

雛型の唇がわなわなと震え、ボタボタと音を立てて涙が落ちた。


「なのに愛する者の命を救う道を、私は探してしまった・・・」


そして千年、償い続けた。

いつか許されると盲目に信じて。

なんと愚かしいことか。


罪の事実が消えるなど、有り得ないのに。

手前勝手に、私は信じた。

いつか大罪も消え去り、全ては元通りになると。


その愚かさの代償を、また私は払った。

千年も時が過ぎてしまってから。


全ては私の罪。

私が犯した罪のせい。

分かっています。

重々、分かっております。


絹糸様は、受け入れよと仰った。

それ以外に道は無いと。


その通りです。

それ以外には、どの道も無い。


でも

でも・・・

あまりにも・・・・・


「あまりにも、惨いと思ってしまう事は・・・やはり、罪なのでしょうか・・・?」


雛型は泣き崩れた。

身も世もなく泣き続けている。


・・・かける言葉もない。

ひたすら痛む胸を押さえ、あたしは涙する雛型を見守ることしかできない。


どんな言葉をかけられるだろうか。

この哀しい人に。

あまりにも、苦難に見舞われ続けたこの人に。