「門川君、ありがとう」
上機嫌でお礼を言うあたしの顔を見る門川君の表情は、なぜか浮かない。
どうかしたのかな? さすがに疲れたとか?
でも彼の体も一緒に回復しているはずなんだけど。
「僕は、自分が情けなくて仕方ない」
暗い表情で、彼はそう言った。
「塔子殿や、天内君や、マ・・・端境当主殿が戦っている間、僕は何もできなかった」
暗い瞳が、辛そうにあたしを見つめている。
「すまない・・・。僕は君を守ることができなかった」
「門川君、そんな」
あたしは慌てて片手をパタパタ横に振り、否定する。
あたしだって、別に何をしたわけじゃないよ。
ただイモ虫になって、イモイモ這いずってただけだし。
「いや、君の懸命な行動が塔子殿の真実を引き出し、それが端境当主殿の心を動かしたんだ」
「いや、だからそんな・・・」
「僕はこの重大な局面で何もできなかった」
「門川君は、しま子達を治癒してくれていたじゃん」
「しかし当主として、あまりにも力不足だ。自分の不甲斐なさに腹が立つよ」
「あのね、門川君は何でもかんでも、背負いすぎるんだよ」
今まで何でもかんでも自分でやるしかなかったから、そういうクセが身に沁みついちゃってるんだろうけど。
でも今は、状況違うでしょ? 頼れる仲間がいるんだよ。
だからさ、何もかも全部ひとりでやろうとしなくていいの。
戦闘も、治癒も、救出も、その全部に自分に責任があるって思い込まなくていいんだ。
ひとりの力には限界がある。
いくら門川君が化けも・・・いえ、天才的な能力の持ち主だとしても。
だから実際、これまでの戦いでは、諦めなければならない命もたくさんあった。
でも今回は違ったよね?
今までだったら救えなかった命も、今回は救えた。みんな助かった。
だから今回は、これが最良の結果で、門川君が自分を責める要素は無しって事だよ。
上機嫌でお礼を言うあたしの顔を見る門川君の表情は、なぜか浮かない。
どうかしたのかな? さすがに疲れたとか?
でも彼の体も一緒に回復しているはずなんだけど。
「僕は、自分が情けなくて仕方ない」
暗い表情で、彼はそう言った。
「塔子殿や、天内君や、マ・・・端境当主殿が戦っている間、僕は何もできなかった」
暗い瞳が、辛そうにあたしを見つめている。
「すまない・・・。僕は君を守ることができなかった」
「門川君、そんな」
あたしは慌てて片手をパタパタ横に振り、否定する。
あたしだって、別に何をしたわけじゃないよ。
ただイモ虫になって、イモイモ這いずってただけだし。
「いや、君の懸命な行動が塔子殿の真実を引き出し、それが端境当主殿の心を動かしたんだ」
「いや、だからそんな・・・」
「僕はこの重大な局面で何もできなかった」
「門川君は、しま子達を治癒してくれていたじゃん」
「しかし当主として、あまりにも力不足だ。自分の不甲斐なさに腹が立つよ」
「あのね、門川君は何でもかんでも、背負いすぎるんだよ」
今まで何でもかんでも自分でやるしかなかったから、そういうクセが身に沁みついちゃってるんだろうけど。
でも今は、状況違うでしょ? 頼れる仲間がいるんだよ。
だからさ、何もかも全部ひとりでやろうとしなくていいの。
戦闘も、治癒も、救出も、その全部に自分に責任があるって思い込まなくていいんだ。
ひとりの力には限界がある。
いくら門川君が化けも・・・いえ、天才的な能力の持ち主だとしても。
だから実際、これまでの戦いでは、諦めなければならない命もたくさんあった。
でも今回は違ったよね?
今までだったら救えなかった命も、今回は救えた。みんな助かった。
だから今回は、これが最良の結果で、門川君が自分を責める要素は無しって事だよ。


