「マ、ロ・・・?」
マロは・・・
ポカンとしていた。
何がなにやら、自分でも良く分からない。そんな顔で。
でもしっかりと、その両手は印を組んで、そしてそれは間違いなく塔子さんに向けられていた。
マロの膝の上には、黒く焦げた煤のようなものが転がっている。
・・・あれ、蜘蛛だ。
マロの耳元に張り付いて、言霊の術をかけて操っていた蜘蛛。
ウルトラ強欲因業ババの、あの蜘蛛だ。
「マロ・・・」
「・・・・・・」
「蜘蛛の糸、破ったの・・・?」
「・・・・・・」
マロが・・・
術を破った。自分の力で。
いや、違う。術を破ったのは・・・
塔子さんの言葉を聞き、塔子さんの心に触れ、塔子さんの行動を目の当たりにした、マロの真の心。
他人には犯すことの出来ない、絶対的な領域である真実の心。
その心が、自分の意思で、塔子さんを救うことを望んだんだ。
マロの中の真実が、塔子さんの真実を認めたんだ。
ふたりの真実の心が、蜘蛛の糸に勝ったんだ。
あたしは、すうぅぅーっと大きく息を吸い込んだ。
鼻からも口からも、もう、胸いっぱい限界のギリギリまで息を吸う。
そして・・・
「マぁぁロぉぉ―――――!!!」
肺活量の全てを駆使してマロの名を叫び、マロに力の限り抱きついた!
マロは・・・
ポカンとしていた。
何がなにやら、自分でも良く分からない。そんな顔で。
でもしっかりと、その両手は印を組んで、そしてそれは間違いなく塔子さんに向けられていた。
マロの膝の上には、黒く焦げた煤のようなものが転がっている。
・・・あれ、蜘蛛だ。
マロの耳元に張り付いて、言霊の術をかけて操っていた蜘蛛。
ウルトラ強欲因業ババの、あの蜘蛛だ。
「マロ・・・」
「・・・・・・」
「蜘蛛の糸、破ったの・・・?」
「・・・・・・」
マロが・・・
術を破った。自分の力で。
いや、違う。術を破ったのは・・・
塔子さんの言葉を聞き、塔子さんの心に触れ、塔子さんの行動を目の当たりにした、マロの真の心。
他人には犯すことの出来ない、絶対的な領域である真実の心。
その心が、自分の意思で、塔子さんを救うことを望んだんだ。
マロの中の真実が、塔子さんの真実を認めたんだ。
ふたりの真実の心が、蜘蛛の糸に勝ったんだ。
あたしは、すうぅぅーっと大きく息を吸い込んだ。
鼻からも口からも、もう、胸いっぱい限界のギリギリまで息を吸う。
そして・・・
「マぁぁロぉぉ―――――!!!」
肺活量の全てを駆使してマロの名を叫び、マロに力の限り抱きついた!


