「永久様、私は、あなた様に許しを請うつもりは、ありません・・・。ただ償い、ただ謝罪をしたいのです」
「塔子殿」
白い輝きに照らされる門川君の横顔。
光と影。その相反するふたつが濃く混じり合う秀麗な貌が、答えた。
「僕は全てを聞き、全てを知り、全てを理解した」
塔子さんの呼吸の速度が落ちる。
汗だらけの顔が黒ずんできた。
肩を大きく上下して。今にも閉じそうな両目を必死にこじ開け、塔子さんは門川君の言葉を聞く。
聞くべき、最後の言葉を。
「そのうえで僕は強く望む。僕の信じる未来を、あなたも共に築いて欲しいと」
「・・・・・・」
「あなたは僕の大切な仲間だ。塔子殿」
「永久・・・さ、ま・・・」
門川君の真実が、塔子さんの心に確かに刻まれた。
哀しい女性の瞳が、ずっと見守り続けてきた相手の澄んだ瞳を見つめる。
やがて塔子さんの細く開かれた目に、安堵とも、悔恨とも言えぬ複雑な色が浮かんで・・・。
嗚咽して、涙をこぼした。
その泣き声を聞きながら、あたしも一緒に涙を流す。
塔子さん。塔子さんの心は今、癒された?
ずっとずっと苦しみ続け、自分を責め続けてきたあなたの心は、救われた?
徐々に支えきれなくなっている両足を懸命に踏ん張り、塔子さんは息を吐く。
彼女のものとは思えないほど、弱々しく囁くような小さな声が、涙と共に、ぽろぽろこぼれた。
「もう、これで、思い残す事は、何もない・・・」
「塔子さん! なに言ってんの諦めちゃだめだよ!」
門川君は一緒に生きようって言ってくれたんだよ!?
だったら塔子さんは生きなければならない!
あなたは、門川君やあたし達と一緒に、未来を信じて茨の道を進まなければならないんだ!
「塔子殿」
白い輝きに照らされる門川君の横顔。
光と影。その相反するふたつが濃く混じり合う秀麗な貌が、答えた。
「僕は全てを聞き、全てを知り、全てを理解した」
塔子さんの呼吸の速度が落ちる。
汗だらけの顔が黒ずんできた。
肩を大きく上下して。今にも閉じそうな両目を必死にこじ開け、塔子さんは門川君の言葉を聞く。
聞くべき、最後の言葉を。
「そのうえで僕は強く望む。僕の信じる未来を、あなたも共に築いて欲しいと」
「・・・・・・」
「あなたは僕の大切な仲間だ。塔子殿」
「永久・・・さ、ま・・・」
門川君の真実が、塔子さんの心に確かに刻まれた。
哀しい女性の瞳が、ずっと見守り続けてきた相手の澄んだ瞳を見つめる。
やがて塔子さんの細く開かれた目に、安堵とも、悔恨とも言えぬ複雑な色が浮かんで・・・。
嗚咽して、涙をこぼした。
その泣き声を聞きながら、あたしも一緒に涙を流す。
塔子さん。塔子さんの心は今、癒された?
ずっとずっと苦しみ続け、自分を責め続けてきたあなたの心は、救われた?
徐々に支えきれなくなっている両足を懸命に踏ん張り、塔子さんは息を吐く。
彼女のものとは思えないほど、弱々しく囁くような小さな声が、涙と共に、ぽろぽろこぼれた。
「もう、これで、思い残す事は、何もない・・・」
「塔子さん! なに言ってんの諦めちゃだめだよ!」
門川君は一緒に生きようって言ってくれたんだよ!?
だったら塔子さんは生きなければならない!
あなたは、門川君やあたし達と一緒に、未来を信じて茨の道を進まなければならないんだ!


