イモ虫みたいにみっともなく這いずりながら、あたしは怒鳴った。
塔子さんはなにも悪い事してないじゃん!
塔子さんが、門川君のお母さんを殺したわけじゃないんだよ!?
その罪は、塔子さんが負うべき罪じゃない!
門川君を犠牲にして、綺麗な着物を着ておいしい物を食べたから!?
それがいったい何だってのさ!
塔子さんがした事は、罪でもなんでもない!
門川君の為に、死に物狂いで修練を積んで、自分の結婚も一生も幸せも、全て彼に捧げようとした。
この戦いで、立派に門川君を守った。
・・・これのどこが罪だってのさ!
塔子さんのした事で、罪になるような事なんかひとっつも無いよ!
ひとっっつも無い!
「塔子さんが償うことなんか、無いんだ!」
「里緒・・・あんた、言ってくれたわ・・・」
途切れ途切れに、息もままならぬ塔子さんが答える。
限界を越えた苦痛。死の寸前。
命の明かりが吹かれて揺れて、少しずつ、でも確実に消えていく。
目の前の、塔子さんの大切な命が消えていく。
「それが救いになるのなら、償うことは悪い事ではないと、言ってくれた・・・」
死の苦悶の顔が、少しだけ緩んだ。
「あの言葉で・・・私は、救われたのよ・・・」
「そんな哀しい救いなんか、ないよ!」
なんで!? なんでなんでなんで!?
こんなの絶対に間違ってる!
罪は拡散する。
苦しみも癒しも許しも、無碍に広げてしまってはいけないものなのに。
なのに人は、傷を広げて自らを苦しめていく。
なぜなら、人の心は弱くて正しいから。
誰もが罪を許さぬ正しい心と、人を許せぬ弱い心をもっているから。
だから・・・だからこそ、間違えてはならない。
「塔子さんに罪は無い!」
あなたは罪を犯していない!
あなたが・・・その命をもって母の罪を償う必要など、決してない!
塔子さんはなにも悪い事してないじゃん!
塔子さんが、門川君のお母さんを殺したわけじゃないんだよ!?
その罪は、塔子さんが負うべき罪じゃない!
門川君を犠牲にして、綺麗な着物を着ておいしい物を食べたから!?
それがいったい何だってのさ!
塔子さんがした事は、罪でもなんでもない!
門川君の為に、死に物狂いで修練を積んで、自分の結婚も一生も幸せも、全て彼に捧げようとした。
この戦いで、立派に門川君を守った。
・・・これのどこが罪だってのさ!
塔子さんのした事で、罪になるような事なんかひとっつも無いよ!
ひとっっつも無い!
「塔子さんが償うことなんか、無いんだ!」
「里緒・・・あんた、言ってくれたわ・・・」
途切れ途切れに、息もままならぬ塔子さんが答える。
限界を越えた苦痛。死の寸前。
命の明かりが吹かれて揺れて、少しずつ、でも確実に消えていく。
目の前の、塔子さんの大切な命が消えていく。
「それが救いになるのなら、償うことは悪い事ではないと、言ってくれた・・・」
死の苦悶の顔が、少しだけ緩んだ。
「あの言葉で・・・私は、救われたのよ・・・」
「そんな哀しい救いなんか、ないよ!」
なんで!? なんでなんでなんで!?
こんなの絶対に間違ってる!
罪は拡散する。
苦しみも癒しも許しも、無碍に広げてしまってはいけないものなのに。
なのに人は、傷を広げて自らを苦しめていく。
なぜなら、人の心は弱くて正しいから。
誰もが罪を許さぬ正しい心と、人を許せぬ弱い心をもっているから。
だから・・・だからこそ、間違えてはならない。
「塔子さんに罪は無い!」
あなたは罪を犯していない!
あなたが・・・その命をもって母の罪を償う必要など、決してない!


