神様修行はじめます! 其の三

―― ドォォォ・・・ン!

爆音と共に、門が突然崩れ落ちた。

そんな気配もなにも無かったのに、いきなり気紛れでもおこしたみたいに、崩壊していく。

ま、まさか、これってあたしのせい!?
あたしの叫び声のせい!? 
ソプラノ歌手が、声でガラスを破壊するとかいう、あれか!?

本当に、瞬く間に門全体がドォッと崩れ落ちる。

酸に侵食されて、内部がもう耐えられなかったんだろう。

あっけなく崩壊する目の前の大きな建築物を、それこそあっけなく、あたしは見ていた。


雷鳴のように鳴り響く崩壊音。
濛々と立ち昇る白灰色の煙。

塔子さんとマロの体が、突然足場を失って、一瞬だけ宙に浮く。

そして崩れるガレキと共に落下し、ふたり同時に、煙に紛れて見えなくなった。


あまりにも唐突な、一瞬の出来事。
茫然自失状態のあたしに向かって、煙がいっせいに襲い掛かってくる。

身動きできないあたしは無抵抗。
気付いた時にはもう、周囲の視界はゼロだった。

バラバラとぶつかってくる軽いガレキの中、両手で頭を抱えて、夢中で息を止めた。


・・・・・

・・・・・

・・・い、息、もう続かな・・・!


「ごほ! げほごほごほっ!」

我慢できずに息を吸った途端、細かい粉塵が気管に入り込んだ。

猛烈な咳き込みに襲われて、また呼吸困難になる。

涙ぐみ、吐きそうになりながらあたしは薄目を開いて、周囲の様子を確認した。


と、塔子さ・・・マ・・・

ふたり共、どうな・・・


少しずつ煙が薄れて、視界が晴れてくる。

崩れたガレキがうず高く積みあがっている、その場に・・・


「と、塔子さん!」


血塗れた襦袢を身にまとった塔子さんが、屋根みたいにでっかいガレキを持ち上げて、両足で踏ん張り仁王立ちしていた。