神様修行はじめます! 其の三

ハァハァ乱れる呼吸を必死でなだめながら、自分の心臓に言い聞かせた。

お願い、どうか落ち着いて心臓。早くおさまって。

ここで倒れてる場合じゃないんだよ。あのふたりを何とかしないと!


そうして祈る間にも、マロの頭上高くに掲げられた手の中の光が、見る間に大きくなっていく。

彼は心を失った表情のまま、それをいまにも塔子さん目掛けて振り下ろそうとしている。


「だめだよマロ! お願い正気に戻って!」


懸命に叫んだつもりでも、その声は驚くほど頼りなく、小さかった。

息が乱れてまともに発声できない。こんなんじゃマロに届かない。

あたしは波打つ胸から両手を離して、ぐいっと地面に押し付ける。

「ぐ、お、おぉぉ~・・・」

そのまま、腕立て伏せみたいに起き上がろうとして、激痛に呻いてベシャッと潰れてしまった。


両手から、じわじわと血が流れ出る。

怪我が全然治っていないし、全身の筋肉もやっぱり全く正常に動いてくれない。

地面に顔をくっつけたまま、動かない体であたしは死ぬほど焦った。


動け! 動けあたしの体!
動けったら、とっとと動けぇ―――!!


もう一度起き上がろうとしたけれど、無理したせいか、さっきよりも体が動かない。

呻き声も、泣き声みたいになってしまった。


お願いだから、ちゃんと動いて。
あたしが、あのふたりを守らなきゃならないんだよ。


もがいてもがいて、でも首から下がまったく役立たずで、首だけを必死に仰け反らせて、ひたすら願った。