神様修行はじめます! 其の三

ふたりの会話を聞きながら、あたしは胸を撫で下ろしていた。

・・・良かった! みんな生きてるんだ!

ひょっとしたら、あたしの炎でみんなを殺しちゃったんじゃないかって、すごく怖かったんだよ!

だってあたし、自分のことで精一杯だったし!

正直言って、力のコントロールのことなんて考えてなかったし!

・・・でもこの事実は、みんなには内緒にしておこう! うん!


門川君がこっちへ大急ぎで走ってきて、あたしの耳元の刀を引き抜く。

しっかし、考えてみればずいぶん危険な事してくれたよね、彼も。

手元が狂ってあたしの顔面に剣が突き刺さったら、どう責任とってくれるつもりだったんだろうか。

あたしも人の事は言えないけど。全然。


「天内君」

ふわりと門川君に抱き上げられて、あたしは彼の乱れた黒髪と、美貌を見上げる。

伝わってくるいつもの冷気が、なぜかとても懐かしく感じられた。


「よくやってくれた、天内君。君はまさに、闘神 璃王(りおう)の再来だよ」


闘神 璃王(りおう)

天内一族のご先祖様。

・・・なんだか、門川君に認められたみたいで嬉しい。


「しっかりつかまっていろ」


一転して表情を引き締め、彼は門からヒラリと飛び降りた。


・・・げ!? ちょっと!? 
あたし今、全身ムチ打ち症患者なんだけ・・・

―― ずううぅんっ!

「ぎああぁぁっ!!」

地面に着地した途端に、全身に襲い掛かる衝撃と痛み。

う、動かないはずの体が、反射的にエビ反りになるほど痛いー!