神様修行はじめます! 其の三

炎、炎、炎。

暗黒の酸の海や、群がる魔犬たち。

その全てが、滅火の炎に残らず飲み込まれた。

見渡す限りに燃え盛る、炎の楽園。


いや、これは、楽園なんてものじゃない。

修羅だ。

ひとかけらの存在すら許さない。

何もかも、完全に飲み尽くそうとする業火の饗宴。


あちこちで巨大な炎の塊が、『ドン! ドン!』と爆発している。

文字通り、柱のような極太の火柱が、天に向かっていきり立つ。

赤、朱、黒。

爆音と、まるで頬を往復ビンタされているような爆風が吹きすさぶ。


なにもかもが、火、火、火。

この空間の全てが、ほんの一瞬で灼熱地獄絵図と化した。


「おお、これぞ天内の炎・・・!」


絹糸の感嘆の声を聞きながら、あたしは極限状態だった。

頭の中はバチバチと火花が散り続け、目の前にたくさんの光が瞬いた。


い、今にも脳が爆発しそう!
でも、頭を押さえたくても、手が動かない。

足も、胸も、腰も、蝋人形になってしまったように、ピクリとも動かす事ができない。


「小娘よ、見事! 見事なり!」
「ち・・・」


ちょっとそれどころじゃないんですけど今!


正直、ほんとにそれどころじゃない。

全身の血液が、血管という血管全てを爆走中だ。

体の中を、極小のジェットコースターが駆け巡っているみたい。

轟々と流れる音が耳の奥に響く。

一歩間違えば血液全部が、皮膚を突き破って体外に噴き出しそうだ。