神様修行はじめます! 其の三

「お願い絹糸、あたしの力じゃどうにもできないの! あたしは役立たずなのよ! だからあたしの代わりに・・・」

―― ビシィィ―――――ッ!

再び、絹糸の強烈な猫パンチが炸裂した。

鼻の頭にクリーンヒットをかまされて、鼻を中心に同心円状に激痛が広がる。

元々涙目だったけど、それとは質の違う涙がジンと滲んだ。

痛い!
い・・・・・・
いた・・・・・

「いったい何すんのよー!」

つい、状況を忘れて怒鳴ってしまった。


「あたしはね、みんなを助けてって言ってるの!誰も猫パンチしろなんて頼んでないよ!」

「知っとるわい。じゃから助けておるのじゃ」

「どこがよ!? ふざけてる時間は無いの!」

「お前を潰れたバナナから回復させるのが、一番の近道じゃ。お前の力で皆を救え」

「それができるなら、とっくにやってるよ!」


あたしには、できないのよ!
できないから絹糸に頼んでるんでしょう!?
あたしはできな・・・

―― ビシィィ―――――ッ!


「うぎゃ!?」
「できるかできないか、など聞いてはおらぬ」


―― ビシィィ―――――ッ!


「うぐぅ!」
「我は、『やれ』と言うておるのじゃ」


―― ビシィィ―――――ッ!


「ひぅ!」
「泣き言は聞かぬ。問答も許さぬ。お前はやるべき事を成せ。・・・やれ」


絹糸の連打に、鼻の痺れが限界に達してる。
つぅっと、鼻から何かが流れ落ちる感覚がした。

・・・鼻血だ。
生臭い臭いが、鼻腔一杯に広まる。