派手な水飛沫が上がって、当然、激しい溶解音と白煙も上がった。
しま子は短い悲鳴を上げて、でもすぐ振り切るように酸の海の中を、凍雨君めがけて走り出した。
「がああ―――!」
しま子の両腕が、断末魔の苦しみに暴れる凍雨君の体を必死に抱きかかえる。
しま子! 凍雨君を助けるために飛び込んでくれたんだ!
でもこのままじゃ、しま子の体もすぐに溶けてしまう!
急いでしま子!
しま子は懸命に門の所まで移動して、凍雨君を肩に抱えて門をよじ登ろうとする。
「しま子! しま子頑張って!」
あたしは、門の上から二人に向かって思い切り手を伸ばした。
もちろん届くわけないけど、もう、必死だった。
「お願い、頑張ってしま子! どうかここまで来て!」
門に食い込んでいるしま子の爪が、ズルリと滑る。
見れば爪が、溶けてボロボロに砕けてる。
あれじゃ無理だ! とても登れっこない!
それでもしま子は諦めずに壁を引っ掻いて、徐々に上へと登って来た。
と思った途端、バランスを崩して酸の海に落下してしまった。
水音と共に、しま子は腰の辺りまで水に浸かってしまう。
再びあの嫌な音と白煙が、これまでにないほど大量に立ち昇った。
「があああぁ――――!!」
身を反り返し、大絶叫するしま子。
何度も何度も繰り返し叫び声をあげるしま子の体が、沈んでいく。
それがなにを意味するのか悟ったあたしは、サーッと血の気が引いた。
しま子の下半身が、溶けているんだ!
しま子は短い悲鳴を上げて、でもすぐ振り切るように酸の海の中を、凍雨君めがけて走り出した。
「がああ―――!」
しま子の両腕が、断末魔の苦しみに暴れる凍雨君の体を必死に抱きかかえる。
しま子! 凍雨君を助けるために飛び込んでくれたんだ!
でもこのままじゃ、しま子の体もすぐに溶けてしまう!
急いでしま子!
しま子は懸命に門の所まで移動して、凍雨君を肩に抱えて門をよじ登ろうとする。
「しま子! しま子頑張って!」
あたしは、門の上から二人に向かって思い切り手を伸ばした。
もちろん届くわけないけど、もう、必死だった。
「お願い、頑張ってしま子! どうかここまで来て!」
門に食い込んでいるしま子の爪が、ズルリと滑る。
見れば爪が、溶けてボロボロに砕けてる。
あれじゃ無理だ! とても登れっこない!
それでもしま子は諦めずに壁を引っ掻いて、徐々に上へと登って来た。
と思った途端、バランスを崩して酸の海に落下してしまった。
水音と共に、しま子は腰の辺りまで水に浸かってしまう。
再びあの嫌な音と白煙が、これまでにないほど大量に立ち昇った。
「があああぁ――――!!」
身を反り返し、大絶叫するしま子。
何度も何度も繰り返し叫び声をあげるしま子の体が、沈んでいく。
それがなにを意味するのか悟ったあたしは、サーッと血の気が引いた。
しま子の下半身が、溶けているんだ!


