神様修行はじめます! 其の三

絹糸は大声で叫んだ。


「塔子はお前を失い絶望する永久にすり寄って、陥落するつもりじゃ! 永久がそんな目にあってもよいのか!?」


あたしは両目をギュウッと強く閉じる。


鼓膜を振るわすその言葉が・・・とてもとても痛かったから。


・・・そんなの嫌に決まってるよ!!

良いわけないでしょ!!


頭の中にその光景が浮かぶ。


悲しみに暮れる門川君の姿。


彼の体に、しな垂れる様に寄りかかり、耳元に甘く優しい言葉を囁く紅い唇。


撫でるように、彼の肩に乗せられる白い指。


悲嘆に暮れた彼の美貌が彼女を見つめる。


絡み合う視線。


彼の両腕が、美しい振袖に包まれた細い体を抱きしめる・・・。


・・・・・・・・・・・・。


嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ!!


絶対にいやあぁぁ―――――!!


食いしばった歯の間から、動物みたいな呻き声が漏れた。


雄叫びを上げて乙女会の連中に襲い掛かりたい衝動を、必死に堪える。


胸も、お腹も、まるで燃えるようだ。


ジリジリガンガンと熱くなって嫉妬の炎が燃え盛る。


そんなの絶対に許さない!


彼の隣は・・・その場所はあたしの場所!


何があってもどんな事をしても、誰にも譲るもんか――!!