さすがは絹糸! 偉い、よくやった! 亀の甲より年の功!
「皆、我の背に乗れ!」
絹糸の声に素早く反応した門川君が、あたしと塔子さんを絹糸の背中に強引に押し上げる。
ちょ、門川君、お尻! お尻触ってるんですけど!
しま子が、絹糸の首に両腕を回して抱き付く。
門川君が背中に飛び乗るや、絹糸が凍雨君の着物の襟を咥え、地を蹴って空中高く飛び上がった。
ほぼ同時に、あたし達が今の今まで立っていた場所が、黒い水に覆われてしまう。
ゴポゴポと不気味に気泡が泡立っているのを見て、こっちの肌が粟立った。
あ、危なかった。ギリギリセーフ!
あたし達全員を抱えた絹糸が、ひらりと門の上に降り立った。
下から見上げた時もずいぶん高いと思ったけど、上から見下ろすとマジ高い。足がすくむ。
眼下は泡立つ酸の海だし、門の上は幅が狭くて足場が悪いし。ここから落ちたら・・・。
ゴクリとツバを飲みこみながら、恐る恐る絹糸の背から降りた途端に、シュウゥっと絹糸の変化が解かれる。
絹糸はそのまま、パタリと力無く倒れてしまった。
「絹糸!?」
急いで抱きかかえた絹糸は、完全に意識が途切れていた。
やっぱり、ものすごく無理していたんだ。
ごめんなさい。ありがとう絹糸!
ギュッと絹糸を抱きしめるあたしの視界の端に、白い刀が光る。
顔を上げると門川君が刀を構えていて、塔子さんも険しい表情で身構えている。
嫌な予感にゆっくり後ろを振り返れば、魔犬たちがゾロゾロと、門の上を伝い歩いてこっちへ向かってくるのが見えた。
・・・おい、ちょっと? いったい何匹いるの?
絹糸は意識不明だし、しま子はひどい怪我してるし、門川君は術が使えない。
しかもこの足場の悪い高所で、下は一面酸の海。
こりゃあ・・・なかなか盛り上がってきたもんだ。
あたしは、再びゴクリとツバを飲み込んだ。
「皆、我の背に乗れ!」
絹糸の声に素早く反応した門川君が、あたしと塔子さんを絹糸の背中に強引に押し上げる。
ちょ、門川君、お尻! お尻触ってるんですけど!
しま子が、絹糸の首に両腕を回して抱き付く。
門川君が背中に飛び乗るや、絹糸が凍雨君の着物の襟を咥え、地を蹴って空中高く飛び上がった。
ほぼ同時に、あたし達が今の今まで立っていた場所が、黒い水に覆われてしまう。
ゴポゴポと不気味に気泡が泡立っているのを見て、こっちの肌が粟立った。
あ、危なかった。ギリギリセーフ!
あたし達全員を抱えた絹糸が、ひらりと門の上に降り立った。
下から見上げた時もずいぶん高いと思ったけど、上から見下ろすとマジ高い。足がすくむ。
眼下は泡立つ酸の海だし、門の上は幅が狭くて足場が悪いし。ここから落ちたら・・・。
ゴクリとツバを飲みこみながら、恐る恐る絹糸の背から降りた途端に、シュウゥっと絹糸の変化が解かれる。
絹糸はそのまま、パタリと力無く倒れてしまった。
「絹糸!?」
急いで抱きかかえた絹糸は、完全に意識が途切れていた。
やっぱり、ものすごく無理していたんだ。
ごめんなさい。ありがとう絹糸!
ギュッと絹糸を抱きしめるあたしの視界の端に、白い刀が光る。
顔を上げると門川君が刀を構えていて、塔子さんも険しい表情で身構えている。
嫌な予感にゆっくり後ろを振り返れば、魔犬たちがゾロゾロと、門の上を伝い歩いてこっちへ向かってくるのが見えた。
・・・おい、ちょっと? いったい何匹いるの?
絹糸は意識不明だし、しま子はひどい怪我してるし、門川君は術が使えない。
しかもこの足場の悪い高所で、下は一面酸の海。
こりゃあ・・・なかなか盛り上がってきたもんだ。
あたしは、再びゴクリとツバを飲み込んだ。


