「しま子!」
思わず差し伸べたあたしの手を、しま子が押しのけた。
『危ないからこっちへ来るな』と言うように、首を横に振っている。
黒い地面が本当にそこまで迫っているし、背後に逃げ場は無いし、どうしたらいいんだろう!
「くっ! もう一度!」
「やめい小僧!」
再び術を発動しようとした凍雨君を、絹糸が制した。
「おそらく、この液体とお前の氷系の術は相性が悪いのじゃ!」
「だって、このままじゃ全員溶かされちゃいますよ!」
「我に任せよ!」
絹糸の毛並みがザワザワと波立ち、濃厚な妖気の白煙が立ち昇る。
まさか変化するつもり!? 絹糸、当分変化はできないんじゃなかったの!?
「無茶したらダメだよ絹糸!」
「今はそれどころではないわ!」
神獣へ変貌を遂げようとしていた絹糸の体が、それを阻むように黄色い光に包まれた。
「うぐぅっ!?」
ノドの奥が詰まったような声を上げ、絹糸の体が硬直する。
「ぐ・・・う・・・」
それでもかまわず、絹糸は気の力を高め続ける。
黄金の目が鋭く尖っているのは、変化の兆候だけじゃない。苦しいんだ。
神獣としての全霊力を無効化されそうになり、全力で抵抗している。
で、でも無理だよ!
端境の結界術の中でどんなに力を発揮しようとしても、無理!
底の抜けたバケツに、セッセと水を入れてるようなもんだよ!
思わず差し伸べたあたしの手を、しま子が押しのけた。
『危ないからこっちへ来るな』と言うように、首を横に振っている。
黒い地面が本当にそこまで迫っているし、背後に逃げ場は無いし、どうしたらいいんだろう!
「くっ! もう一度!」
「やめい小僧!」
再び術を発動しようとした凍雨君を、絹糸が制した。
「おそらく、この液体とお前の氷系の術は相性が悪いのじゃ!」
「だって、このままじゃ全員溶かされちゃいますよ!」
「我に任せよ!」
絹糸の毛並みがザワザワと波立ち、濃厚な妖気の白煙が立ち昇る。
まさか変化するつもり!? 絹糸、当分変化はできないんじゃなかったの!?
「無茶したらダメだよ絹糸!」
「今はそれどころではないわ!」
神獣へ変貌を遂げようとしていた絹糸の体が、それを阻むように黄色い光に包まれた。
「うぐぅっ!?」
ノドの奥が詰まったような声を上げ、絹糸の体が硬直する。
「ぐ・・・う・・・」
それでもかまわず、絹糸は気の力を高め続ける。
黄金の目が鋭く尖っているのは、変化の兆候だけじゃない。苦しいんだ。
神獣としての全霊力を無効化されそうになり、全力で抵抗している。
で、でも無理だよ!
端境の結界術の中でどんなに力を発揮しようとしても、無理!
底の抜けたバケツに、セッセと水を入れてるようなもんだよ!


