マロは蔑んだような目でこちらを見下ろしている。
今まで自分達が見下されてきた分を、全部返してやろうとする意思に満ちていた。
圧倒的に有利な立場で、彼は優越感に浸っている。
・・・でもねマロ! そーゆー頑なな態度って良くないと思うよ!?
お互い、理性を持って建設的な話し合いをしようよ!
ね、端境にとって悪い話をしようってんじゃないんだから!
「聞く必要など、ない。全ての決断も命令も、こちらに権利があるのでおじゃる」
「おじゃらないよ! そんな権利は無い! 世界の誰にも、どこにもない! 自分が世界の権利を握ってるなんて考えないでよ!」
「それを門川に言われる義理は無い」
「分かってるよ! だから皆で話し合おうって、いま言ってるんじゃん!」
マロの気持ちも良く分かる。
でもその気持ちに飲み込まれちゃダメなんだ!
「恨みや憎しみばかりを考えちゃダメ! マロも未来を信じてよ!」
「未来?」
「うん! これから皆で生きる未来だよ!」
「未来とは、いつの事か?」
蔑んだ表情を一切変えぬまま、マロの紅い唇が語る。
「十年か? 百年か? それとも再び千年待てと言うのでおじゃるか? その間なにひとつ変わらず、また皆が忘れ去るのでおじゃる」
「マロ・・・」
「なにもかも、千年前と同じように」
そうでおじゃる。
千年。
千年間、麻呂の血筋は端境一族の当主だった。
奴隷身分一族の当主。
道端のゴミ程度にしか扱われぬ一族の当主に、代々就任してきた。
ゴミの代表として生まれ、生き続けてきたのだ。
千年だ。
千年、そうして生きる事を強いてきたくせに、今さらそのゴミに向かって『未来を信じろ』と?
今まで自分達が見下されてきた分を、全部返してやろうとする意思に満ちていた。
圧倒的に有利な立場で、彼は優越感に浸っている。
・・・でもねマロ! そーゆー頑なな態度って良くないと思うよ!?
お互い、理性を持って建設的な話し合いをしようよ!
ね、端境にとって悪い話をしようってんじゃないんだから!
「聞く必要など、ない。全ての決断も命令も、こちらに権利があるのでおじゃる」
「おじゃらないよ! そんな権利は無い! 世界の誰にも、どこにもない! 自分が世界の権利を握ってるなんて考えないでよ!」
「それを門川に言われる義理は無い」
「分かってるよ! だから皆で話し合おうって、いま言ってるんじゃん!」
マロの気持ちも良く分かる。
でもその気持ちに飲み込まれちゃダメなんだ!
「恨みや憎しみばかりを考えちゃダメ! マロも未来を信じてよ!」
「未来?」
「うん! これから皆で生きる未来だよ!」
「未来とは、いつの事か?」
蔑んだ表情を一切変えぬまま、マロの紅い唇が語る。
「十年か? 百年か? それとも再び千年待てと言うのでおじゃるか? その間なにひとつ変わらず、また皆が忘れ去るのでおじゃる」
「マロ・・・」
「なにもかも、千年前と同じように」
そうでおじゃる。
千年。
千年間、麻呂の血筋は端境一族の当主だった。
奴隷身分一族の当主。
道端のゴミ程度にしか扱われぬ一族の当主に、代々就任してきた。
ゴミの代表として生まれ、生き続けてきたのだ。
千年だ。
千年、そうして生きる事を強いてきたくせに、今さらそのゴミに向かって『未来を信じろ』と?


