だから雛型、出てきて。
出てきてくれなければ癒されない。
あなたの苦しみは増すばかりだ。
そんなのあたし、嫌だ。嫌なんだよ。
「出てきて雛型。お願いだからもう、癒されて」
あたしがどんなに呼びかけても、雛型が出てくる気配は無い。
微動だにしない布を見つめる両目が、涙で滲んだ。
「ねえ、雛型。お願いだから答えて、雛型」
・・・ごめんね。『雛型』なんて呼んで欲しくないよね?
でもあなたの名前、知らないんだ。
だから教えてくれるかな?
あなたの名前、呼びたいよ。
あたしに呼ばせて。触れ合わせて。抱きしめさせて。
あたしの名前も教えるよ。ここにいる全員の名前も教えるから。
あなたを責める人はいなくても、あなたを癒したいと思う人は、いる。
ここに、いるんだ。こんなにも。
だから・・・
「だから出てきて。雛型」
― ふわり・・・
赤い布が動いて、ようやく中から人が出てくる気配がする。
あぁ、雛型!
やっと、やっとで・・・!
「ついに、ここまで来たでおじゃるか」
・・・・・・
お前かマロ!!
出てきてくれなければ癒されない。
あなたの苦しみは増すばかりだ。
そんなのあたし、嫌だ。嫌なんだよ。
「出てきて雛型。お願いだからもう、癒されて」
あたしがどんなに呼びかけても、雛型が出てくる気配は無い。
微動だにしない布を見つめる両目が、涙で滲んだ。
「ねえ、雛型。お願いだから答えて、雛型」
・・・ごめんね。『雛型』なんて呼んで欲しくないよね?
でもあなたの名前、知らないんだ。
だから教えてくれるかな?
あなたの名前、呼びたいよ。
あたしに呼ばせて。触れ合わせて。抱きしめさせて。
あたしの名前も教えるよ。ここにいる全員の名前も教えるから。
あなたを責める人はいなくても、あなたを癒したいと思う人は、いる。
ここに、いるんだ。こんなにも。
だから・・・
「だから出てきて。雛型」
― ふわり・・・
赤い布が動いて、ようやく中から人が出てくる気配がする。
あぁ、雛型!
やっと、やっとで・・・!
「ついに、ここまで来たでおじゃるか」
・・・・・・
お前かマロ!!


