門川君があたしの手を握ってくれて、あたし達は一瞬見つめ合い、そして同時に走り出す。
共に信じる世界を築くために。
この足が地を踏み、駆ける毎に近づくであろう、あたし達の未来のために。
冷たい向かい風を切るように走り続け、あたし達は端境一族が居た場所からどんどん遠ざかった。
道はずーっと単調な一本道で、両側には背の高い木々が続くばかり。
どこにいるんだろう、雛型は。
「絹糸、雛型の気配読める?」
あたしの問いに、先頭を走る絹糸が頷いた。
結界が破れたお陰でハッキリ感知できるんだろう。黄金の目は真っ直ぐ前を見ている。
やっぱりこの先にいるんだね。急がなきゃ。
―― ユラリ・・・
突然、前方の空間全体が、陽炎のように歪んだ。
今にもその部分に突っ込みそうだった絹糸が、危うく寸前で立ち止まり、皆が慌てて次々と足を止めた。
「・・・あ、れ? 今ここ、歪んでなかったっけ?」
さっきは確かに歪んだと思ったけど、いま見てみると、別に何の異常も見られないな。
変ね、目の錯覚かな? 疲れ目?
いやしかし、全員揃って同時に疲れ目ってのも妙よね?
もう一度、よーく目を凝らして・・・
―― ユラ・・・ユラリ・・・
「あ! やっぱり動いた!」
思い出したかのように空間が歪みだした。
まるでフェイクの画像が、システム障害でも起こしてるみたい。
多分これが、端境の人たちが言ってた結界なんだ。
うわ、ずいぶんと広範囲の結界ね。見渡す限りじゃないの。
本当に端境って、結界術に秀でている一族なんだ。
共に信じる世界を築くために。
この足が地を踏み、駆ける毎に近づくであろう、あたし達の未来のために。
冷たい向かい風を切るように走り続け、あたし達は端境一族が居た場所からどんどん遠ざかった。
道はずーっと単調な一本道で、両側には背の高い木々が続くばかり。
どこにいるんだろう、雛型は。
「絹糸、雛型の気配読める?」
あたしの問いに、先頭を走る絹糸が頷いた。
結界が破れたお陰でハッキリ感知できるんだろう。黄金の目は真っ直ぐ前を見ている。
やっぱりこの先にいるんだね。急がなきゃ。
―― ユラリ・・・
突然、前方の空間全体が、陽炎のように歪んだ。
今にもその部分に突っ込みそうだった絹糸が、危うく寸前で立ち止まり、皆が慌てて次々と足を止めた。
「・・・あ、れ? 今ここ、歪んでなかったっけ?」
さっきは確かに歪んだと思ったけど、いま見てみると、別に何の異常も見られないな。
変ね、目の錯覚かな? 疲れ目?
いやしかし、全員揃って同時に疲れ目ってのも妙よね?
もう一度、よーく目を凝らして・・・
―― ユラ・・・ユラリ・・・
「あ! やっぱり動いた!」
思い出したかのように空間が歪みだした。
まるでフェイクの画像が、システム障害でも起こしてるみたい。
多分これが、端境の人たちが言ってた結界なんだ。
うわ、ずいぶんと広範囲の結界ね。見渡す限りじゃないの。
本当に端境って、結界術に秀でている一族なんだ。


