神様修行はじめます! 其の三

まだあどけなさの残る、大きな目。


ほんのり茶色に染まったその目は、強い意志を持って、これから自分が進む未来をしっかり見つめていた。


凍雨君も、裏切りという名の罪を犯した。


理由はどうあれ、仲間を敵に引き渡した罪の事実は変えられない。


彼はそれに対して、何の言い逃れもしなかった。


人間は誰でも罪を犯す生き物だ。


人が、人として生きていこうとする以上、絶対にそれは避けられない。


傷つけられた被害者が、いつかは、誰かを傷付ける加害者となるだろう。

この世は、その繰り返し。

常に新しい過ちが生まれ、傷つけ、苦しめられる。


そして……いつかは癒され、許していくのが人の世。


だからこそ信じたい。

希望の世界を生きていくのだと信じたい。

信じる未来を、選びたい。


進むべき道を決める権利は、信じる権利は、自分の中にある。


凍雨君は道を選び、そしてもう進み始めている。


凍雨君は・・・あたし達の仲間だ。


大切な、大切な、かけがえの無い仲間だ。



「凍雨君」

大切な仲間の名を呼ぶ門川君の澄んだ目が、冬の光に照らされて輝いている。

「僕も信じている。君たち皆と共に築く未来と、それを叶える力を」

「永久様・・・」

「本当に信じているんだ。心から」


凍雨君は、明るい希望に満ちた笑顔を見せてくれた。