「消えないさ。そんなこと当然知ってるよ」
涼しげな少年の声が術師に応えた。
「誰でも知ってる。そんなこと。永久様もあんた達も」
「・・・凍雨君?」
「知ってるからこそ・・・責めてるんだろ? あんた達は」
凍雨君は、どこか物寂しげな・・・でも真っ直ぐな目で男達を見ている。
「被害者には責める権利があるから、どこまでも責め立てる。責める相手がいるだけで、少しは心が救われる。だから責めるんだ」
凍雨君の寂しそうな目を術師たちは見つめ返し、戸惑いの声で聞き返す。
「少年、お前、誰だ?」
「氷血一族が当主、凍雨だ」
「氷血!? あの、極寒の不毛の地に閉じ込められた一族か!?」
頷く凍雨君を見る男達の表情が、途端に同情と共感に変わる。
氷血一族がどんな惨い目にあわされてきたか、知らない者はいないんだろう。
「それは、さぞや難儀な日々を過ごされたでありましょう。氷血当主殿よ」
「うん。辛かったよ。苦しかった。耐え切れず大勢死んだ。ボクの父もね」
「おぉ、なんという・・・」
「寒くて、燃料も食べ物も無い。奪い合って、一族で争い合って、しまいには人を襲って食う者まで出た」
・・・!?
人を襲って、食う!? そんな・・・!
そこまで大変だったなんて知らなかった。そんなに追い詰められていたなんて。
だって凍雨君、なにも言わなかったから。
いつも、あたし達にはニコニコしていたから・・・。
「地獄だったよ。耐えられなかった。どこにも救いが無かった。だから大人達は門川を・・・責めた」
涼しげな少年の声が術師に応えた。
「誰でも知ってる。そんなこと。永久様もあんた達も」
「・・・凍雨君?」
「知ってるからこそ・・・責めてるんだろ? あんた達は」
凍雨君は、どこか物寂しげな・・・でも真っ直ぐな目で男達を見ている。
「被害者には責める権利があるから、どこまでも責め立てる。責める相手がいるだけで、少しは心が救われる。だから責めるんだ」
凍雨君の寂しそうな目を術師たちは見つめ返し、戸惑いの声で聞き返す。
「少年、お前、誰だ?」
「氷血一族が当主、凍雨だ」
「氷血!? あの、極寒の不毛の地に閉じ込められた一族か!?」
頷く凍雨君を見る男達の表情が、途端に同情と共感に変わる。
氷血一族がどんな惨い目にあわされてきたか、知らない者はいないんだろう。
「それは、さぞや難儀な日々を過ごされたでありましょう。氷血当主殿よ」
「うん。辛かったよ。苦しかった。耐え切れず大勢死んだ。ボクの父もね」
「おぉ、なんという・・・」
「寒くて、燃料も食べ物も無い。奪い合って、一族で争い合って、しまいには人を襲って食う者まで出た」
・・・!?
人を襲って、食う!? そんな・・・!
そこまで大変だったなんて知らなかった。そんなに追い詰められていたなんて。
だって凍雨君、なにも言わなかったから。
いつも、あたし達にはニコニコしていたから・・・。
「地獄だったよ。耐えられなかった。どこにも救いが無かった。だから大人達は門川を・・・責めた」


