「端境の者よ、言いたくなければ雛型の居場所、無理に聞き出そうとは思わぬ」
絹糸が男達に向かって話しかけた。
「簡単に口は割れぬであろうからのぅ」
彼等にとって雛型の居場所を教えるのは、裏切り行為。
確かに簡単に教えるわけにはいかないだろうけど・・・。
「でも絹糸、聞き出さなきゃ世界が・・・」
「敷地内に入った故、我が何とか気配を読めるであろう。時間はかかるが」
「・・・間に合う?」
「世界が持ちこたえてくれるのを信じるよりあるまい」
「うん・・・そうだね」
信じよう。そしてやるべき事をしよう。
ここでこうしているより、先に進まなきゃ。
世界を救いにいかなきゃ。
「皆、行こう。世界を救いに」
門川君がそう言って立ち上がった。
端境の術師がそれを見てせせら笑う。
「世界を救う? ご大層なことだ。英雄にでもなるつもりか?」
「なにをしたところでお前は英雄などにはなれぬぞ」
「そうだ。しょせんお前は偽者の王者なのだからな」
「真の王者とは、我ら端境一族なり」
・・・・・・
どうしよう。やっぱムカつくんですけど。
眉間にガッツリ皺の寄ったあたしの顔を見て、絹糸がパタパタと肉球で靴を叩く。
分かってるよ。ちゃんと押さえるよ。だから早くここから移動しよう。
あたしの怒りが本気で暴走したら、大量虐殺になっちゃいそうだし。
そしたらこっちこそテロリストになっちゃう。
立ち去りかけたあたし達と擦れ違いざま、術師のひとりが声をかける。
「忘れるな。門川の犯した罪は永遠に消えぬぞ」
ひくっと眉間に皺が寄り、チリッと腹の奥が燃える。
い、いけないいけない。行き着く先はテロリスト。
落ち着けあたし。えーっと、ヒツジが一匹ヒツジが二匹・・・
絹糸が男達に向かって話しかけた。
「簡単に口は割れぬであろうからのぅ」
彼等にとって雛型の居場所を教えるのは、裏切り行為。
確かに簡単に教えるわけにはいかないだろうけど・・・。
「でも絹糸、聞き出さなきゃ世界が・・・」
「敷地内に入った故、我が何とか気配を読めるであろう。時間はかかるが」
「・・・間に合う?」
「世界が持ちこたえてくれるのを信じるよりあるまい」
「うん・・・そうだね」
信じよう。そしてやるべき事をしよう。
ここでこうしているより、先に進まなきゃ。
世界を救いにいかなきゃ。
「皆、行こう。世界を救いに」
門川君がそう言って立ち上がった。
端境の術師がそれを見てせせら笑う。
「世界を救う? ご大層なことだ。英雄にでもなるつもりか?」
「なにをしたところでお前は英雄などにはなれぬぞ」
「そうだ。しょせんお前は偽者の王者なのだからな」
「真の王者とは、我ら端境一族なり」
・・・・・・
どうしよう。やっぱムカつくんですけど。
眉間にガッツリ皺の寄ったあたしの顔を見て、絹糸がパタパタと肉球で靴を叩く。
分かってるよ。ちゃんと押さえるよ。だから早くここから移動しよう。
あたしの怒りが本気で暴走したら、大量虐殺になっちゃいそうだし。
そしたらこっちこそテロリストになっちゃう。
立ち去りかけたあたし達と擦れ違いざま、術師のひとりが声をかける。
「忘れるな。門川の犯した罪は永遠に消えぬぞ」
ひくっと眉間に皺が寄り、チリッと腹の奥が燃える。
い、いけないいけない。行き着く先はテロリスト。
落ち着けあたし。えーっと、ヒツジが一匹ヒツジが二匹・・・


