神様修行はじめます! 其の三

叶えたい望みがあるのなら・・・


それを叶える為の行動をしなければならない。


自分の主義主張を声高に叫んで、華々しく散るのも一興だろうけど・・・


門川君もあたしも散りたくなんかない。


願いを、望みを叶えたいんだ。


「そうは言っても小娘、お前が永久や、我やしま子のために怒ってくれた時・・・」


絹糸がしなやかに歩き、あたしの足元に座る。


そしてあたしの靴の上に、そっと前足を置いた。


「その実、我の心は・・・とても温かかった」


金色の目があたしを見上げる。純度の高い、たまらなく優しげな目線。

絹糸・・・。


「うあぁ~~」

「しま子・・・」


しま子が自分の頭に手を伸ばし、毛糸の帽子を脱いだ。


そして中に手を突っ込みゴソゴソする。


取り出された大きな鬼の手の中には・・・


一輪の、小さなお花。


シワシワに萎れてしまって色も褪せた花。


いったい、いつ頃から帽子の中に入れていたものか。


まだ花が咲いている頃、一輪摘んでずっと忍ばせていたんだろう。


いつでも・・・いつでもあたしを慰め勇気付けられるように。


「うあ、うあぁ~~っ」


笑顔と共に差し出された花は、花びらも落ちてへにょんと萎れていた。


クタッとくたびれた花をあたしは無言で受け取る。


胸が掻き毟られそうなほどの・・・感謝と喜びと共に。


門川君は救われていると言ってくれた。


絹糸は心が温かくなったと言ってくれた。


しま子は花を一輪、与えてくれた。


癒しは・・・それぞれの心の中に有る。


「・・・うん」


ただひと言、あたしは言って頷いた。


門川君も絹糸もしま子も、黙って頷き返してくれた。