神様修行はじめます! 其の三

門川君の美しい切れ長の両目があたしを見つめている。


静かに佇む湖水のような、透き通った清廉な瞳。


もう、彼は救われている・・・?


救い、癒し。

巡るその輪廻は・・・。


「小娘よ、あの者たちにとっては門川への嫌悪が絶対。お前にとっては永久が絶対」


「絹糸・・・」


「それが混じり合うのは、並大抵のことではない。分かるな?」


・・・・・

端境一族の言い分は・・・


どう考えてみても、やっぱり無茶な言い分だと思う。


だって千年前の事を持ち出して、今のテロ行為の言い訳にするなんてさ。


千年昔の責任を今の門川一族に、門川君に償えってのは無茶すぎるよ。

でも・・・


「罪と償い。加害と被害。その複雑な関わりのやるせなさは、小娘も今回よう知ったであろう?」


「・・・・・・」


「どちらにも理がある。簡単に絶対などと断じれぬのじゃ。特に永久の立場ではのぅ」


端境が門川君を責めるのは間違ってる。


自分達の行為の全責任から、端境が逃れようとするのも間違っている。


あたしは、そう思う。


あたしが思うくらいなんだから、門川君なんて百倍そう感じているのかもしれない。


でも彼は当主である時、自分を主張できない。


してはいけない立場なんだ。


彼の目線は、常に世界そのものの公正な目線でなければならない。


今まで門川の上層部達は、どこまでも自分目線の自分が可愛い治世を行ってきた。


それが積もり積もって流れが歪み、澱んで・・・


こんな風に数え切れない憎悪も買った。


門川君は、あたし達はそれを変えたい。


その為には自分の意見をギャーギャー主張するだけではだめなんだ。


水と油を、ただぶつけ合わせるだけでは理想は叶えられない。