神様修行はじめます! 其の三

男達が次々と青筋を立てて叫んだ。


「天下の悪党、門川だぞ! その親玉の言う事など何ひとつ信じてはならぬ!」


「そうだ! この術師とて、実はこやつ等に殺されたのかもしれぬ!」


「きっとそうに違いない!」


な・・・!? 違うわよ!


なに言ってんのあんたら! なんであたし達がこの人を殺さなきゃならないわけ!?


「そんな理由がどこにあるっつーのよ!」


「端境一族への報復に決まっている」


「そして我等から情報を得るために、この術師の遺体を利用したのだろう」


「そんな事してないってば!」


あんまりな言い掛かりじゃない!? それって!


証拠もないのに、よくそんなヒドイ事が言えるね!


「証拠だと? 現に今さっき、我らを言葉巧みに手懐けようとしていたであろう!」


「恥を知れ! 門川一族はまさに鬼の一族だ! なにしろ鬼と仲良しのようだからな!」


しま子がピクンと反応した。


しま子は人間の言葉を深く理解はできない。


でも心が優しくて繊細だから、いつも人から向けられる自分への悪意や侮蔑に敏感だ。


たぶん今も、侮辱のトゲを感じて密かに傷付いている。


しま子・・・。


よくも・・・


よくもそんな事が言えるもんだね! なんにも知らないくせに!


「しま子はね、この術師を遺族に届けるために、ずっと抱えて走ってくれたんだよ!」


あたし達がこの術師の最期を看取ったんだ。


あのままあそこに置き去りにしてたら、きっと異形のモノに食われていた。


このお母さんが息子に会えたのはしま子のおかげだよ!


恩に着せるつもりはないけど、その態度はなくない!?


塔子さんもさすがにシンメトリー青筋をたてて、不当な言い掛かりに抗議する。


「この術師の傷は獣の噛み傷よ。見れば分かるでしょう? それともなによ? あたしが彼に噛み付いたとでも言うわけ?」


「ふん。獣ならそこに居るではないか」


「え?」


男のキツイ視線を辿ると・・・そこには絹糸が居た。