しま子がゆっくりと術師を肩から下ろす。
地面に横たわった遺体に女性が覆い被さるように声を掛け続けた。
「望月! しっかりせい望月! 望月!」
この女性、術師のお母さんなんだ・・・。
必死になって声を掛け続けるその姿に胸が痛んだ。
いくら声を掛けたとしても、もう、この人は・・・。
「この術師の母御か?」
絹糸がゆっくりと女性に近づいた。
「望月! 望月っ!」
「気の毒じゃが、この術師はもうあちらに逝った」
ビクッと女性の体が震え、一瞬声が止む。
でもまたすぐに女性はさらに声を張り上げ、術師の体を懸命に揺さぶり始めた。
「目を開けるのじゃ! はよう起きよ! 望月!」
あたしは俯きがちに、黙って見ているより他に無い。
こんな時どうすればいいか、何を言えばいいのかも分からない。
とっくに死んでる我が子の遺体に向かって、目を覚ませ、今すぐ起きろと叫び続ける母親に。
狂気の目の色で、絶対的に現実を拒否しようとし続ける人に。
母親は決して諦めようとせず、懸命に息子に呼びかける。
でもいくら必死に呼びかけたところで、完全に土気色に変わった術師の目が開かれる事は無く。
揺さぶられる体に力が戻ることも、無かった。
それでもいつまでも止めようとしない母親の姿を見る絹糸の目に哀れみの色が宿る。
「母御よ、色を見れば分かるであろう? 息子の生は終わった」
「望月っ! 望月っ!」
「お前の息子は、逝ってしもうたのじゃ」
「違うっっ!!」
間髪置かずに母親は絹糸に叫び返した。
「望月が死ぬはずがない! 望月は端境一族の中でも名の通った、優秀な結界師なのじゃ!」
まるで敵に噛み付くような勢いで、すごい目付きで母親は叫んだ。
「なのに死ぬはずがない! そんなはずは絶対にない!」
地面に横たわった遺体に女性が覆い被さるように声を掛け続けた。
「望月! しっかりせい望月! 望月!」
この女性、術師のお母さんなんだ・・・。
必死になって声を掛け続けるその姿に胸が痛んだ。
いくら声を掛けたとしても、もう、この人は・・・。
「この術師の母御か?」
絹糸がゆっくりと女性に近づいた。
「望月! 望月っ!」
「気の毒じゃが、この術師はもうあちらに逝った」
ビクッと女性の体が震え、一瞬声が止む。
でもまたすぐに女性はさらに声を張り上げ、術師の体を懸命に揺さぶり始めた。
「目を開けるのじゃ! はよう起きよ! 望月!」
あたしは俯きがちに、黙って見ているより他に無い。
こんな時どうすればいいか、何を言えばいいのかも分からない。
とっくに死んでる我が子の遺体に向かって、目を覚ませ、今すぐ起きろと叫び続ける母親に。
狂気の目の色で、絶対的に現実を拒否しようとし続ける人に。
母親は決して諦めようとせず、懸命に息子に呼びかける。
でもいくら必死に呼びかけたところで、完全に土気色に変わった術師の目が開かれる事は無く。
揺さぶられる体に力が戻ることも、無かった。
それでもいつまでも止めようとしない母親の姿を見る絹糸の目に哀れみの色が宿る。
「母御よ、色を見れば分かるであろう? 息子の生は終わった」
「望月っ! 望月っ!」
「お前の息子は、逝ってしもうたのじゃ」
「違うっっ!!」
間髪置かずに母親は絹糸に叫び返した。
「望月が死ぬはずがない! 望月は端境一族の中でも名の通った、優秀な結界師なのじゃ!」
まるで敵に噛み付くような勢いで、すごい目付きで母親は叫んだ。
「なのに死ぬはずがない! そんなはずは絶対にない!」


