神様修行はじめます! 其の三

「敵がきたぞ! 皆で協力して結界を張るんだ!」


「待て。あれは・・・人だ!」


こっちを見ながら叫んでる、あれは端境一族の人達だ!


小さな集団を作って身を寄せ合って隠れていたんだ。


駆け寄るあたし達が異形のモノでは無いと認識して、張ろうとした結界を解いてくれた。


でも近づいたあたし達の姿をハッキリと確認した途端、また再び警戒し始める。


「止まれ! お前達、端境の者では無いな?」


「何者だ!?」


「落ち着きなさい。あたし達が怪しい者じゃない事くらい、見れば分かるでしょう?」


「・・・・・・」


あの・・・塔子さん。


すごく言いにくいんだけど自分の今の格好、あなた自覚してます?


幽霊みたいに乱れまくった日本髪。


剥げたお化粧。おまけに襦袢一枚。


そんな明らかに怪しい風体の見知らぬ女に堂々と「怪しい者じゃない」宣言されても・・・。


ほら、このひと返答に困ってるじゃん。


「あたし達、門川から来たんだよ」


安心させようと思って発したあたしの発言が、余計に皆の神経を逆撫でしたらしい。


女たちは子どもを抱きかかえて怯えた声を上げ、男たちの表情は険しくなった。


「門川だと!?」


「我ら端境一族に報復しに来たか!?」


「ちょ、なに言ってのさ。助けに来たんだってば!」


あたしは両手をブンブン振って慌てて釈明する。


今はちょっと敵から逃げ回ってる状況だけど、基本的にこれは救助活動の一環だからね。


今回の端境の一件はともかく、今は世界をなんとかするのが最優先だ。


「他の人達は大丈夫? どこか別の所に無事に隠れているの?」


「それを聞いてどうするつもりだ」


「いや、どうするもこうするも、ただ心配で・・・」


「ふんっ、魂胆は分かっている。居場所を聞き出し、次々と皆殺しにしていくつもりだろう?」


男が険しいままの表情でそう吐き捨てた。


はぁ? 魂胆ってなに言ってんの? この人。