季節はもう、冬。


正門前に立ちんぼするあたしの周囲は、見渡す限りの一面の銀世界。


白。白。白。

どこまでも、ま―――っ白。


降り積もった雪が何もかも覆い尽くし、ただ白一色。


晴れた空の透き通った青と、地の純粋な白。


二色の対比が、見事なまでに美しい。


日の光を浴びてキラキラ輝く雪原は、言葉にできない絶景だ。


ほんっとーに感動的なまでに、綺麗なんだけど・・・。


寒いのよ!!  極っっ限に寒い!!


容赦なく徹底的に寒い!!


んもう、鼻息すらもブワァッと真っ白に染まっちゃって。


あたしって鼻から煙吐いてる変な怪獣みたい。


この寒さの中、立ちっぱなしは心底ツライんだよぉ~。


女の子は体冷やしちゃダメなんだよ!?


「だからお願い。早くここ通してよおぉ~」


「「用の無いものは通させぬ」」


「だーかーらー! 何回おんなじ事言わせれば気が済むの!?」


あたしだってば、あたし。ほら、良く見て。


「あたしは天内 里緒だよ。門川 永久の護衛役の」



異形のモノと戦い、世界を守る神の末裔。


あたしは滅火の炎を操る、天内一族最後の生き残り。

そして・・・


全ての神の一族の頂点に立つ門川一族。


その当主である門川 永久の護衛役。