術師の顔から見る間に生気が抜けていく。
呼吸は浅く、静かに・・・吸って、吐いて。
繰り返すたびに、その間隔が開いていく。
門川君と絹糸が、死にゆく人の姿を深い感情のこもった目で見つめている。
終焉の刻、遺る者は逝く者を見守る事しかできない。
今まで何度も何人も、ふたりはそうして逝く命を見送り続けてきた。
数え切れぬうちの、そのひとつ。
この術師の命もその中に今、刻まれる。
術師の肉体は、ただ呼吸を繰り返す。
吸って・・・吐いて・・・
吸って・・・・・・吐い、て・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
そして彼は、満ち足りたままで逝った。
彼のたったひとつの生が終わった。
とても穏やかな表情で。
たとえ、たとえどんな形で逝ったにせよ彼も戦いに散った仲間だ。
あたし達は全員、悲しくも厳かに、敬意をもって術師の最期を看取った。
― グルル・・・ ―
唸り声が聞こえてきた。
こちらを警戒して沈黙していた猿たちが、そろそろ動きを見せている。
「死の臭いに反応しておるようじゃの」
「死の臭い? もう死臭を感じているの?」
「実際の臭いではない。異形のモノは命の終わりを敏感に感じ取るのじゃ」
「彼の死肉を食らおうと狙っているようだな」
死肉を!?
そんな死者を辱めるようなこと、断じて許すわけにいかない。
守らなきゃ。せめて遺族の元に帰してあげなきゃならない!
「詳しい事情の説明は後回しだな。今はここを切り抜けるぞ」
門川君が立ち上がり、氷のように冷静な目でそう言った。
呼吸は浅く、静かに・・・吸って、吐いて。
繰り返すたびに、その間隔が開いていく。
門川君と絹糸が、死にゆく人の姿を深い感情のこもった目で見つめている。
終焉の刻、遺る者は逝く者を見守る事しかできない。
今まで何度も何人も、ふたりはそうして逝く命を見送り続けてきた。
数え切れぬうちの、そのひとつ。
この術師の命もその中に今、刻まれる。
術師の肉体は、ただ呼吸を繰り返す。
吸って・・・吐いて・・・
吸って・・・・・・吐い、て・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
そして彼は、満ち足りたままで逝った。
彼のたったひとつの生が終わった。
とても穏やかな表情で。
たとえ、たとえどんな形で逝ったにせよ彼も戦いに散った仲間だ。
あたし達は全員、悲しくも厳かに、敬意をもって術師の最期を看取った。
― グルル・・・ ―
唸り声が聞こえてきた。
こちらを警戒して沈黙していた猿たちが、そろそろ動きを見せている。
「死の臭いに反応しておるようじゃの」
「死の臭い? もう死臭を感じているの?」
「実際の臭いではない。異形のモノは命の終わりを敏感に感じ取るのじゃ」
「彼の死肉を食らおうと狙っているようだな」
死肉を!?
そんな死者を辱めるようなこと、断じて許すわけにいかない。
守らなきゃ。せめて遺族の元に帰してあげなきゃならない!
「詳しい事情の説明は後回しだな。今はここを切り抜けるぞ」
門川君が立ち上がり、氷のように冷静な目でそう言った。


