「しかも自分自身が殺される事を受け入れるなんて!」
「君だって似たような状況だったろう」
門川君の、ようやく合点がいった表情。
「言ったろう? 蜘蛛の糸は強力な言霊師が使えば最強無比なんだ」
・・・確かに。
あたしはあの時の自分の心理状況を思い出す。
自分が雛型にならなければならぬと、どこまでも激しく強烈に信じきった心の内を。
あたしはそれを自分で納得して、決意したんだ。
それにしたって、あの時は門川君のためと思って決意したことだ。
彼の幸せのためと思って。
この術師にだって大切な人のひとりやふたり、いるはずだ。
その人達の命までも、自分の手で一族もろとも奪い去る事を納得して決意するなんて。
そんなことまで、させる事ができるなんて。
あたしは今さらながらにゾッとした。
なんて恐ろしい術師なんだろう。
そんな人が、あたし達に敵対しているっていうの?
「でもぼく、理解できません」
凍雨君が敵の団体を警戒してそちらに体を向けつつ、視線だけをこちらに向ける。
「なんだってそんな事するんでしょうか?」
そうだ。あたしのケースはまだ理解できる。
あたしを利用して、この未曾有の危機を救おうとした。
でもこの術師の場合は? 危機の発端である端境への報復なの?
・・・いや。
危機の発端が端境なら、危機を収束できるのも端境だ。
新たな雛型作成が閉ざされた今、それしか道が無い。
なのにその一族を全滅させてどうするの?
理由が見えない。まったく分からない。
「考えられる答えはひとつじゃ。のぅ、永久よ」
「そうだな。これで確信できた」
なにが?
あたしは門川君の顔を見た。
塔子さんも凍雨君も、敵の方を見つつもこっちを気にしている。
門川君の全員の視線を受け、その答えを口にした。
「つまり、あの長老達が今回の全ての黒幕なんだよ」
「君だって似たような状況だったろう」
門川君の、ようやく合点がいった表情。
「言ったろう? 蜘蛛の糸は強力な言霊師が使えば最強無比なんだ」
・・・確かに。
あたしはあの時の自分の心理状況を思い出す。
自分が雛型にならなければならぬと、どこまでも激しく強烈に信じきった心の内を。
あたしはそれを自分で納得して、決意したんだ。
それにしたって、あの時は門川君のためと思って決意したことだ。
彼の幸せのためと思って。
この術師にだって大切な人のひとりやふたり、いるはずだ。
その人達の命までも、自分の手で一族もろとも奪い去る事を納得して決意するなんて。
そんなことまで、させる事ができるなんて。
あたしは今さらながらにゾッとした。
なんて恐ろしい術師なんだろう。
そんな人が、あたし達に敵対しているっていうの?
「でもぼく、理解できません」
凍雨君が敵の団体を警戒してそちらに体を向けつつ、視線だけをこちらに向ける。
「なんだってそんな事するんでしょうか?」
そうだ。あたしのケースはまだ理解できる。
あたしを利用して、この未曾有の危機を救おうとした。
でもこの術師の場合は? 危機の発端である端境への報復なの?
・・・いや。
危機の発端が端境なら、危機を収束できるのも端境だ。
新たな雛型作成が閉ざされた今、それしか道が無い。
なのにその一族を全滅させてどうするの?
理由が見えない。まったく分からない。
「考えられる答えはひとつじゃ。のぅ、永久よ」
「そうだな。これで確信できた」
なにが?
あたしは門川君の顔を見た。
塔子さんも凍雨君も、敵の方を見つつもこっちを気にしている。
門川君の全員の視線を受け、その答えを口にした。
「つまり、あの長老達が今回の全ての黒幕なんだよ」


