だから何が?って聞いてんのに!
息も絶え絶え。もはや目は光を失いかけている。
虚ろでボンヤリした表情で、ろくに意識も無さそうなのに頑迷に拒否し続ける術師。
・・・・・・
なんか、おかしい?
あたしは気がついた。
いや、自分の救命作業を固辞し続ける時点で、すでにこのひと立派におかしいんだけど。
なんだか様子が変すぎる。表情や目が。
そう。目だ。目付きがおかしいんだ。
なんだろう?
うまく説明できないけど怪我のせいで意識朦朧というより、これは・・・
「意識を操られておるようじゃの」
絹糸が術師の目を覗き込み、確信するように言った。
え? 操られている?
死を望むように催眠術でもかけられてるってこと?
「ふむ、催眠というよりも・・・」
絹糸は術師の真正面で目を合わせ、問いかけた。
「なぜ、ならぬのか?」
「・・・・・・」
「答えよ。なぜ、ならぬ?」
「ならぬ事は、ならぬまでの事」
「ではなにが、ならぬのじゃ?」
「全てが」
「全てとは?」
「全て。結界を張ることも、命を救おうとする事も、救われる事も・・・」
どこを見ているのか分からない視線で、術師は言い続けた。
「全てが、ならぬ。この世の全てが、ならぬのだ」
この世の全てが、ならぬ?
一体なに言ってんの? この人。完全に意味不明。
っていうか、結界を張っちゃダメってどういうことよ?
もしかしてそのせいで端境の結界が破られたってこと?
息も絶え絶え。もはや目は光を失いかけている。
虚ろでボンヤリした表情で、ろくに意識も無さそうなのに頑迷に拒否し続ける術師。
・・・・・・
なんか、おかしい?
あたしは気がついた。
いや、自分の救命作業を固辞し続ける時点で、すでにこのひと立派におかしいんだけど。
なんだか様子が変すぎる。表情や目が。
そう。目だ。目付きがおかしいんだ。
なんだろう?
うまく説明できないけど怪我のせいで意識朦朧というより、これは・・・
「意識を操られておるようじゃの」
絹糸が術師の目を覗き込み、確信するように言った。
え? 操られている?
死を望むように催眠術でもかけられてるってこと?
「ふむ、催眠というよりも・・・」
絹糸は術師の真正面で目を合わせ、問いかけた。
「なぜ、ならぬのか?」
「・・・・・・」
「答えよ。なぜ、ならぬ?」
「ならぬ事は、ならぬまでの事」
「ではなにが、ならぬのじゃ?」
「全てが」
「全てとは?」
「全て。結界を張ることも、命を救おうとする事も、救われる事も・・・」
どこを見ているのか分からない視線で、術師は言い続けた。
「全てが、ならぬ。この世の全てが、ならぬのだ」
この世の全てが、ならぬ?
一体なに言ってんの? この人。完全に意味不明。
っていうか、結界を張っちゃダメってどういうことよ?
もしかしてそのせいで端境の結界が破られたってこと?


