「やめい小娘。どうせどこまでも平行線なのじゃから時間の無駄じゃ」
「・・・そだね」
へーへー。
噛み合わないのは百も承知、もう慣れっこだよ。
塔子さんは、あたしと門川君をチラチラ見比べてる。
どうもあたし達が自分の想像通りの関係ではないらしい事に、薄々気がついたみたい。
凍雨君は凍雨君で、完全にビビッた目であたしのこと見てるし。
『ぼく、ひょっとしたら権田原の山中で殺されてたのかも!』
って考えてるのが、はっきり顔に表れてる。
凍雨君、ほんと、君って隠し事のできない素直な性格だね・・・。
その分かりやすい部分、門川君に分けて欲しいよ。
「では屋敷へ急ぐぞ」
「ふむ、そうじゃな。敷地内の様子がどうなっておるか気掛かりじゃ」
「そ、そうですね! 早く行きましょう!」
「仮にも端境の当主と一緒ならば、きっと雛型も無事ですわね?」
どうだろうか。
屋敷全体の結界は作動していないみたいだから。
でも個人の身を守る結界が有効なら、一族の他の人達もまだ無事かもしれない。
よし行こう! 端境の屋敷に!
いつの間にか炎は消滅していた。
あれほど群れていた鳥たちの気配も、微塵も無い。
完全に滅せられてしまったんだ。
・・・・・怖~。我ながら。
極力、日常生活において腹を立てないように注意しないと。
でないとあっちこっちで虐殺しちゃいそう。冗談抜きで。
亀たちが屋敷に近づくにつれ、少しずつ敷地内の様子が見えてきた。
やっぱり・・・異形のモノ達に襲われている!
なんだか毛むくじゃらの動物みたいな姿をした、二足歩行のモノ達だ。
広大な屋敷の、いたる所にウジャウジャ湧いているけれど。
あれ? なんだかあそこ、集中して固まってる・・・?
・・・・・・!?
人だ!
端境の術師がひとり、取り囲まれて襲われてる! 助けなきゃ!
「・・・そだね」
へーへー。
噛み合わないのは百も承知、もう慣れっこだよ。
塔子さんは、あたしと門川君をチラチラ見比べてる。
どうもあたし達が自分の想像通りの関係ではないらしい事に、薄々気がついたみたい。
凍雨君は凍雨君で、完全にビビッた目であたしのこと見てるし。
『ぼく、ひょっとしたら権田原の山中で殺されてたのかも!』
って考えてるのが、はっきり顔に表れてる。
凍雨君、ほんと、君って隠し事のできない素直な性格だね・・・。
その分かりやすい部分、門川君に分けて欲しいよ。
「では屋敷へ急ぐぞ」
「ふむ、そうじゃな。敷地内の様子がどうなっておるか気掛かりじゃ」
「そ、そうですね! 早く行きましょう!」
「仮にも端境の当主と一緒ならば、きっと雛型も無事ですわね?」
どうだろうか。
屋敷全体の結界は作動していないみたいだから。
でも個人の身を守る結界が有効なら、一族の他の人達もまだ無事かもしれない。
よし行こう! 端境の屋敷に!
いつの間にか炎は消滅していた。
あれほど群れていた鳥たちの気配も、微塵も無い。
完全に滅せられてしまったんだ。
・・・・・怖~。我ながら。
極力、日常生活において腹を立てないように注意しないと。
でないとあっちこっちで虐殺しちゃいそう。冗談抜きで。
亀たちが屋敷に近づくにつれ、少しずつ敷地内の様子が見えてきた。
やっぱり・・・異形のモノ達に襲われている!
なんだか毛むくじゃらの動物みたいな姿をした、二足歩行のモノ達だ。
広大な屋敷の、いたる所にウジャウジャ湧いているけれど。
あれ? なんだかあそこ、集中して固まってる・・・?
・・・・・・!?
人だ!
端境の術師がひとり、取り囲まれて襲われてる! 助けなきゃ!


