神様修行はじめます! 其の三

「でもそれにしたって他にやり方無かったの? いや、ちゃんと感謝はしてるけどさぁ」


「里緒、なに不服そうな顔してるのよ。当主様のご温情に不満でもあるのっ?」


「いやだから、感謝してるけどさぁ」


なーんか、事務的なんだよなぁ。


当主としては当然の判断だし、的確な処置でもあったと思うけど。


本質的にはあたしへの愛情からの行為なんだと思えば嬉しいし。


でもさー! 

もっと、こう、分かりやすい愛情表現がいいなぁ!


こんな考え自体が甘えなのかもしれないけど。


でもラブを期待しちゃうのは仕方ないよ。恋心ってのは複雑なんだもん。


期待は常にバッサリ裏切られ続けてるけどさ。


「はあぁぁ~~・・・」

「なんの溜め息だそれは? 僕の処置に問題でも?」


いや、処置に問題っていうか。


性質と本質に問題っていうか。


言っても理解してもらえないから言わないけど。


「乙女心は複雑なんだよ」


「またそれか。いいか? 術師には乙女も成人も中年も関係ないんだ」


「・・・・・・」


「乙女だからといって、自分の若年に甘える発言はやめたまえ。見苦しい」


・・・・・・。

だから、単に歳が若いって意味で『乙女』って単語を使ってるわけじゃ・・・。