炎の巨大な壁が渦巻いている。
文字通り、渦を巻いて天に轟々と舞い上がっているんだ。
空を黒く染めるほどの大群を、それに負けない巨大な炎の舌が、舐め尽すように燃え盛る。
その圧巻の爆炎の饗宴。
業火の支配。
鳥たちは苦痛に身悶えし、紅蓮の炎の中で成すすべも無く燃え尽きていく。
その光景を、それこそ成すすべも無くポカンと見上げるあたし。
「これは・・・なに?」
「なにって、お前の滅火の炎であろうが」
「あたしの? あたしがやったの?」
「なんじゃ、やはり自覚無しか」
だって・・・これほどの巨大な炎は今まで出したことが無い。
今まではパーソナルな分量の滅火の炎ばかりで。
なのにこれは、鳥たち全部を滅して余るほどの爆炎だ。
我ながら唖然、呆然。
「良かったな。無事にトラウマを克服できて、めでたしめでたしだ」
「門川君?」
「ここまで徹底的に叩き潰しておいて、今さら鳥が怖いも無いだろう?」
「・・・・・・う、うん」
確かに。
もう今さら、トラもウマも無いっていうか。
指先ひとつでひねり潰しておいて、「いや~ん怖い!」は無いよ。
クチバシ恐怖症は立派に解消したっぽい。
じゃあ・・・。
「あたしのトラウマを克服させる為に、わざと?」
「今後、クチバシを見るたびヒステリーを起こされては困るからな」
「あ・・・」
「君は生涯、僕のそばに居るのだろう? 共に戦うなら弱点は随時、克服してもらう」
「・・・・・・・」
・・・そう、か。うん、そうだね。
門川君の言う通りだ。
あたしは彼の護衛役なんだから、あれは苦手、これは嫌いじゃ通らない。
彼はあたしの今後を見据えて、本当の意味で手助けをしてくれたんだ。
それはありがたい事だと思う。
思うよ。
文字通り、渦を巻いて天に轟々と舞い上がっているんだ。
空を黒く染めるほどの大群を、それに負けない巨大な炎の舌が、舐め尽すように燃え盛る。
その圧巻の爆炎の饗宴。
業火の支配。
鳥たちは苦痛に身悶えし、紅蓮の炎の中で成すすべも無く燃え尽きていく。
その光景を、それこそ成すすべも無くポカンと見上げるあたし。
「これは・・・なに?」
「なにって、お前の滅火の炎であろうが」
「あたしの? あたしがやったの?」
「なんじゃ、やはり自覚無しか」
だって・・・これほどの巨大な炎は今まで出したことが無い。
今まではパーソナルな分量の滅火の炎ばかりで。
なのにこれは、鳥たち全部を滅して余るほどの爆炎だ。
我ながら唖然、呆然。
「良かったな。無事にトラウマを克服できて、めでたしめでたしだ」
「門川君?」
「ここまで徹底的に叩き潰しておいて、今さら鳥が怖いも無いだろう?」
「・・・・・・う、うん」
確かに。
もう今さら、トラもウマも無いっていうか。
指先ひとつでひねり潰しておいて、「いや~ん怖い!」は無いよ。
クチバシ恐怖症は立派に解消したっぽい。
じゃあ・・・。
「あたしのトラウマを克服させる為に、わざと?」
「今後、クチバシを見るたびヒステリーを起こされては困るからな」
「あ・・・」
「君は生涯、僕のそばに居るのだろう? 共に戦うなら弱点は随時、克服してもらう」
「・・・・・・・」
・・・そう、か。うん、そうだね。
門川君の言う通りだ。
あたしは彼の護衛役なんだから、あれは苦手、これは嫌いじゃ通らない。
彼はあたしの今後を見据えて、本当の意味で手助けをしてくれたんだ。
それはありがたい事だと思う。
思うよ。


