― ポイッ ―
塔子さんが扇を手から放り投げた。
扇子が風に揺れ、パサッと雪の上に落ちる。
・・・・・・・・・へ?
扇、捨てちゃう、の?
・・・・・・
ちょっと塔子さんーっ!?
なにしてんの!? 扇捨てちゃったら戦えな・・・!
「うおおぉぉぉぉ―――――!!」
塔子さんの紅い唇から野太い雄叫びが響いた!
ひえぇっ!? な・・・な・・・!?
塔子さんは着物の裾を大きく開き、両足を開いてグイと踏ん張る。
襦袢の薄桃色と白い足が大胆に覗いた。
羞恥する様子も無く、腰をグッと落とし、固く拳を握り締め・・・
「でりゃああぁ―――!」
彼女は素早く右ストレートをトカゲ兵隊に向けて放った!
強烈な拳はトカゲに命中。
バゴッ!と鈍い音と共に、見事にトカゲは岩石に戻って砕け散った。
・・・・・ええぇ!? と、塔子さん!?
二匹目、三匹目が襲い掛かる。
彼女は慌てることなく体勢を即座に整え、次は左をお見舞いした。
強烈な拳がトカゲを粉砕する。
そして瞬く間も無く、今度は蹴りが・・・!
弾みをつけた、綺麗に安定した姿勢での回し蹴りが炸裂。
あえなくトカゲは砕かれ、ボロリと地に落ちた。
「ふしゅう~~・・・」
大きく頬を膨らませ、塔子さんは息を吐き出す。
拳を構えながらトカゲの群れを睨みつける、そのドスの効いた視線の鋭さときたら、もう・・・。
「・・・・・」
「彼女は奥方の遠縁なんだよ」
ポッカ~ンとしているあたしに門川君が説明してくれる。
それは、知ってる、けど。
「お、奥方って扇舞の一族じゃなかったっけ?」
「だから、『遠縁』なんだよ。彼女は扇舞一族じゃない。怒涛の一族だよ」
「はい? ど、怒涛・・・?」
「肉体戦闘のスペシャリストだ。直接攻撃力の高さにおいて、怒涛の一族の右に出るものは無い」
塔子さんが扇を手から放り投げた。
扇子が風に揺れ、パサッと雪の上に落ちる。
・・・・・・・・・へ?
扇、捨てちゃう、の?
・・・・・・
ちょっと塔子さんーっ!?
なにしてんの!? 扇捨てちゃったら戦えな・・・!
「うおおぉぉぉぉ―――――!!」
塔子さんの紅い唇から野太い雄叫びが響いた!
ひえぇっ!? な・・・な・・・!?
塔子さんは着物の裾を大きく開き、両足を開いてグイと踏ん張る。
襦袢の薄桃色と白い足が大胆に覗いた。
羞恥する様子も無く、腰をグッと落とし、固く拳を握り締め・・・
「でりゃああぁ―――!」
彼女は素早く右ストレートをトカゲ兵隊に向けて放った!
強烈な拳はトカゲに命中。
バゴッ!と鈍い音と共に、見事にトカゲは岩石に戻って砕け散った。
・・・・・ええぇ!? と、塔子さん!?
二匹目、三匹目が襲い掛かる。
彼女は慌てることなく体勢を即座に整え、次は左をお見舞いした。
強烈な拳がトカゲを粉砕する。
そして瞬く間も無く、今度は蹴りが・・・!
弾みをつけた、綺麗に安定した姿勢での回し蹴りが炸裂。
あえなくトカゲは砕かれ、ボロリと地に落ちた。
「ふしゅう~~・・・」
大きく頬を膨らませ、塔子さんは息を吐き出す。
拳を構えながらトカゲの群れを睨みつける、そのドスの効いた視線の鋭さときたら、もう・・・。
「・・・・・」
「彼女は奥方の遠縁なんだよ」
ポッカ~ンとしているあたしに門川君が説明してくれる。
それは、知ってる、けど。
「お、奥方って扇舞の一族じゃなかったっけ?」
「だから、『遠縁』なんだよ。彼女は扇舞一族じゃない。怒涛の一族だよ」
「はい? ど、怒涛・・・?」
「肉体戦闘のスペシャリストだ。直接攻撃力の高さにおいて、怒涛の一族の右に出るものは無い」


