神様修行はじめます! 其の三

心臓まで冷たくなるような冷気。


強烈な寒さのせいで指先と足先が絞られるように痛んだ。


さ・・・寒っ! 寒い寒い――!


ひとりの力だけでもキンッキンに冷えるのに、二人分の冷気なんて耐えられない!


こ、凍える! 自分が凍結するー!!


飛沫になったマグマが凍りつき、見る間にジュウッと白い蒸気と化す。


白っぽい小さな塊と湯気の立つ水分が、バラバラと音を立てて無数に地上に落ちてきた。


トカゲの末路は爆発して完全に粉砕。


マグマも冷え固まって、もはや小さな白い岩石と成り果ててしまった。


気がつくと、厳しい冷気は嘘のように消え去っていた。


変わらず有るのはぶすぶすと燃え燻ぶる倒れた木々。


そして、まるで温泉地のような一面白く煙る蒸気。


す・・・ご・・・・・・。

門川君と凍雨君、マグマトカゲに勝っちゃった・・・。


勝っちゃった。

勝った。勝ったんだ。


勝った・・・・・。


「凄いー! 門川君、凍雨君! 勝ったんだよ!」


凄い凄い凄い!


あたしは小躍りしてふたりに拍手喝さいを送った。


いや、マジですごいわ! どうなる事かと思ったけど!


しま子も嬉しそうに盛大に拍手している。


「ね、どうやって倒したの? やっぱり力一杯締め付けたから?」


「マグマを締め付けても爆発はしないよ」


門川君が溜め息をつきつつ淡々と説明してくれた。


「いってみれば水蒸気爆発の原理だ」


「そっか、水蒸気爆発かぁ・・・で、なにそれ?」


「・・・密閉された空間と、高温で熱せられた水と、あと金属が・・・」


「永久、時間がかかるから後にせい、後に」


飄々とした声。

絹糸が亀の甲羅に四本足でしっかりと立っている。


治癒が終わったんだ! 良かった! 足が生えてる!




※注 みなさん、エネルギー保存則、熱伝導率等、世間の法則はあまり深く考えないようお願いします。

これはフィクションですので・・・(汗)