神様修行はじめます! 其の三

― ジュウウゥゥッ! ―

朦々とサウナのような白い煙が立ち上る。


トカゲの全身を覆った氷が、瞬時に溶けて蒸気になってしまった。


平然としながらトカゲは再びこっちへ接近し始める。


あぁ・・・氷が薄すぎたんだ!


「くぅ・・・面積が、大きすぎて・・・」


凍雨君がもう一度印を組み、ありったけの精神と力を込めて術を発動する。


氷の膜がまたトカゲの体を覆い、少しの間、動きを止めてくれたけど・・・


あっという間に蒸気となって溶けて、トカゲは動き出した。

・・・だめか!?


「ぐうぅぅ・・・!!」

凍雨君は諦めず、もう一度術を発動する。


印を組む指先は揺るえて、顔は真っ赤に染まり、食いしばった歯の間から声が漏れた。


「う・・・ぐぁ・・・!!」


三度、トカゲの体は氷に覆われて、やはりすぐ全身から蒸気が立ち上る。


自由になったトカゲが、おもむろに天を見上げた。

そして・・・


― ドオォォォォ!! ―


いきなり大口を開けて、そこから溶岩を噴出し始めた。


「うわあぁー!?」

「なにこのトカゲ、噴火したー!?」


黒い煙。真っ赤な溶岩。熱された土砂。大きな岩石。


天に向かって吐かれたそれらが、放物線を描いて地上へ落下する。


こいつ、何度も足止めされたから怒ったんだ!


それにしてもトカゲのくせして噴火するなんて、どういう了見!?


どんだけ腹立ってるってのよ!


こいつら同族同士でケンカしたら、お互いに向き合ってドカドカ派手に噴火し合うのか!?


なんつーハタ迷惑な種族よ!