神様修行はじめます! 其の三

彼の目の力強さがあたしに伝染する。


あたしの心の中から一瞬で怖気が吹っ飛んだ。


彼が諦めないと言うのなら、あたしも絶対諦めない。


いや、たとえ彼が諦めたってあたしが彼を守らなきゃならないんだよ。


なにビビッてんのよあたし!

しっかりしろ! あたしは門川君の護衛役だろーが!


『そばに居れば、無敵』でしょ!?


死んでも諦めない!!

っていうか、そもそも、死ぬもんかあ!!


あたしは周囲を見回した。

何かないの? 何か何か何か何か!


空なんだから鳥ぐらい飛んでるでしょ!? そしたらとっ捕まえて気球代わりにしてやる!


この時期、渡り鳥の群れっていえば・・・・・


タンチョウ鶴、来い―――!!

・・・あぁ! 北海道のタンチョウって渡りをしないんだったっけ!?


・・・・・キラリッ


あたしの必死の祈祷に応えるように、空の向こうで何かが輝いた。


今・・・

いまなんか光ったよね!?


ホントに来た!? 鶴!

あの光って、タンチョウ鶴の頭の赤いハゲ部分!?


― ゴオォォォッ!! ―


大気を唸らせながら、凄まじいスピードで何かがこっちに接近してきた。


来るっと思った次の瞬間、小さな光がもう目視可能なまでに近づいた。


「うがあああぁぁ―――!!」

「永久様――!! 天内さん――!!」


あ・・・・・

あ、あれって・・・・・


あたしは一瞬、落下している現状も忘れて呆気にとられた。


目をまん丸くして声の主を見る。


あれは・・・しま子。 凍雨君。


ふたりが・・・・・・


それぞれ巨大な亀の背中に乗って飛んできたあぁぁ!?