神様修行はじめます! 其の三

二人の体が白い輝きに包まれる。


『重き鎖より解き放つ。自在に舞い踊れ。汝、散る花の如く』


光に包まれながら門川君が素早く詠唱を唱える。


すると、体の表面に軽い抵抗力を感じた。

くぅん!っと二人の落下が止まる。


空中に・・・・・・浮いた!?


やった門川君! 空中遊泳なんて凄い・・・


・・・・・フッ!


抵抗感が消え去り、再びドオッと体が落下する。


きゃあああぁぁ!? なんで!?


手を繋ぎながら二人揃って落ちていく。離れないよう、力一杯握った。


「・・・くっ! やはり力不足だったか!」


門川君が顔を歪めて悔しそうに呻く。


氷系の術以外の大技には、たとえ門川君といえどもそれなりの時間が必要だ。


でも今、のんびりしてたら地面に激突してしまう。


簡単な浮遊術を唱えたんだろうけど、それでは威力が足りなかったんだろう。


「天内君!」

門川君が必死の形相であたしの名を叫ぶ。


彼は必死だった。見るからに、本当に、真剣に、必死だった。


必死で・・・・・


生きようとしていた。


生き延びようとしている。

そしてあたしを助けようとしてくれている。


彼の目は、何も諦めてはいなかった。

絶望も、恐怖も、悲嘆も、そんなもの一欠けらも見当たらない。


あぁ、彼は諦めない。

何があろうと絶対に諦めたりしない。


自分の誓いを果たすべく、全力で立ち向かおうとしている。


・・・・・

それなら・・・・・・


このあたしが、諦めるわけにはいかないじゃないか!!