神様修行はじめます! 其の三

トカゲの体は痙攣して身動きしなくなった。


気のせいか、無表情な目から更に感情が消えて、意識が薄れているように見える。


トカゲの意識の有無なんて、ハッキリ確証はないけど。


でもやっぱり効いてるよね、これ絶対。さすが絹糸!


そりゃそうだよ! トカゲなんて猫にとっちゃ獲物にすぎないもん!


そういや昔、友達の家の飼い猫がヤモリ捕獲して、自慢そうに咥えて持って来たっけ。


あの時は絶叫しちゃったけど今ならあの猫、称賛してしまいそう!


絹糸はトカゲの頭上を、絶妙の高さを維持しながら旋回し続ける。


頑張って絹糸! このまま攻撃を続ければ・・・


― ビュルルッ! ―


巨大トカゲが突然ガパリと大きく口を開いた。


薄黄色に輝くマグマの舌が目にも止まらぬ速さで伸びて来る。


それが絹糸の足首を包むように強く巻き込んだ。


「・・・・・・!!」


ジュッ!っと何かが焼け焦げるような嫌な音がして、絹糸の体のバランスがガクン!と崩れる。


グラッと傾き、絹糸の背中からあたしの足腰が離れてしまった。


・・・・・・空中で!!


ヒッと小さな悲鳴を上げた。

脳天から指先までドバッと冷や汗が吹き出る。


体が傾く勢いのせいで、しっかり掴んでいたつもりの手も絹糸から離れてしまう。


あ・・・あ・・・


必死に何かに縋ろうとしたけれど、縋れるものなど何もなかった。


あ・・・

あ・・・・・・

お・・・お、落ち・・・


口をポカンと開け、成すすべも無く、空に放り出されるあたしの体。


なんの支えも無い空中に生身の体で、あたしは・・・・・


落ちる―――――!!?

きゃあああぁぁ―――――!!


大絶叫を上げたつもりでも、恐怖のあまり息すら吐けない。


あたしは真っ逆さまに地面に向かって落下した。